ブルックリンのサンセット・パークの近くで野良猫のお世話をしている人から救助してほしい猫がいると連絡を受けました。救助活動をしている友人と私はトラップを仕掛け2匹の猫を捕まえることができました。
妊娠しているようだと聞いていたオレンジタビ―の猫はオスでした。野生の強い2匹をすぐに動物愛護協会へ運び、2匹は避妊治療とワクチンの接種を済ませました。メスの猫は元の棲家へ帰すことにしましたが、オス猫は厳しい通りの暮らしで傷だらけの身体に健康上の問題を抱え治療を必要としていました。私は治療する間に彼が人間と信頼関係を結べないか確かめたいと思いました。

私は猫をチャーリーと呼び始めました。チャーリーは鋭い眼差しのままケージの隅に隠れるように身を縮めていました。私が触れようとすると目を大きく見開いて威嚇しました。
私はケージ越しにチャーリーの頭を指先で撫でてみました。すると彼は受け入れてくれました。私はチャーリーの中に可能性を見つけたと思いました。

診察を受けたチャーリーはおよそ8歳。血液検査の結果FIVに陽性、FELVには陰性でした。
獣医師が診察台の上のチャーリーの顔を優しく撫で始めたとき、チャーリーはじっとしていました。肩を抱かれ、頭を撫でられると気持ちよさそうにゴロゴロと転がり喉を鳴らしたのです。
私はチャーリーに見た可能性に間違いはないと確信しました。

彼の苦痛が人間に信頼を置くことをためらわせている原因のひとつになっているのかもしれない、獣医師と私はそう思いました。
首の後ろの大きな瘡蓋と歯や歯肉炎などいくつかの治療を始めました。弱った免疫のため回復までにはかなりの時間が必要になりそうでした。
私はチャーリーを健康に戻したらいつかきっと永遠の家を見つけようと決心しました。そのためにもチャーリーの信頼を得なければなりません。私は治療と同時にそのことに集中しました。

保護して3週間後、チャーリーは口の中の手術を受けました。2本の奥歯と7本の歯を抜き、根だけが残っていた折れた歯を3本抜かなければなりませんでした。彼はひどい痛みからようやく解放されました。
しかし首の後ろの回復にはまだ時間がかかりそうでした。

保護から1か月、私はチャーリーをバスルームから出して部屋の中に開いたケージを置いて過ごしてもらいました。
しかし私が急に触れようとすると威嚇の声をあげました。彼の中に残る人間への不信、それは過去誰かに傷つけられた経験からくるのかもしれないと感じました。
チャーリーはふかふかのベッドの上よりケージの中が一番安心して過ごせました。私は毎日チャーリーをケージの外に出して傍に座り彼を撫でて過ごす時間を取りました。次第にチャーリーは喉を鳴らし始めしばらくの間私たちは一緒に座って過ごせるようになっていきました。

ある夜、私はチャーリーを赤ちゃんを抱くように抱っこすることができました。するとチャーリーは喉をゴロゴロと鳴らし本当に気に入ったようでした。私は驚きました。
それからずっと私はチャーリーを抱っこすることを毎日続け1日に何度も抱っこしました。
チャーリーは抱っこされるととても安心するようでした。
眼光鋭くたくましく通りで生きていた野良猫の影に隠れていた愛情深い本来のチャーリーがやっと姿を現しました。

保護して4か月、健康を取り戻したチャーリーに私たちは永遠の家を探し始めました。
野性だった彼は人間の大きな動きや大声が苦手です。ときどき隠れる場所が必要だったり、不意に離れていったりしますが、信頼や愛情について学ぶ過程にいます。
長い間、通りで厳しい暮らしに耐えてきたチャーリーは誰からも愛されなかった時間を埋めようとしているのです。
私たちにできることがあるとすれば、彼の過去を理解し、彼を受け入れ、愛情を注いでくれる温かい家族を見つけることだと思っています。