ある女性が通りでよく見かける野良猫がだんだん体調を崩していることに気付きました。よく見ると口の辺りにケガを負っているようでした。彼女は野良猫を保護してアニマル・ヘブンへ助けを求め連れて来てくれました。

スクラッピーと名付けられた猫は6歳のオス、口からはよだれと出血があり被毛は汚れてとても痩せていました。
診察を受けたスクラッピーは腐敗した歯が感染症を起こしていました。スクラッピーは常に不快感と痛みを抱えていたのです。
早速治療が始められたスクラッピーでしたが、血液検査で(猫免疫不全ウィルス感染症)に陽性反応を示していたため、ほかの猫から隔離されていました。

元々社交的なスクラッピーは猫と接触のない数週間の間にすっかり落ち込んでしまい、スタッフの励ましにも全く反応しませんでした。
口の中の状態がほとんど改善してもスクラッピーのよだれは止まりませんでした。さらに毛繕いを止めてしまい、体重もなかなか増やすことができませんでした。

一方バニラはまだ子猫だったとき、日本庭園をさまよっていたところをあるカップルに保護され家族に迎えられました。SOHOのアパートで50年間暮らしてきたカップルに愛され幸せな日々を送っていたのです。
ところが、カップルの女性が亡くなってしまい、男性はひとりで家賃を賄うことができずにアパートを追い出されてしまいました。

シェルターの社会貢献プログラムを通じてアニマル・ヘブンとつながった男性に、シェルターはどうにかバニラと一緒に暮らせるように協力してきましたが、最終的に男性はアメリカを離れる決断を下しました。男性は愛するバニラに新しい家族を探してほしいとアニマル・ヘブンに彼を託したのです。
今年7月、バニラはシェルターで暮らし始めました。
辛い別れを経験したばかりのバニラには友達が必要でした。

FIVに陽性反応を示す以外、バニラの健康に問題はありません。
私たちはスクラッピーとバニラを大きな部屋に一緒にしてみました。
そして結果は信じられないほどでした。
スクラッピーのストレスレベルは目に見えて低くなり、彼は体の手入れを再開し、よだれが止まりました。
バニラは食欲が安定し、緩慢になっていた動きが機敏になりました。
彼らは出会った日以来、それまでそれぞれが抱えていた問題から急速に回復し始めたのです。

ある日、メディア関係者の女性が2匹を訪れました。
彼女は半年以上シェルターで暮らすスクラッピーをシャイな猫だと思っていたようです。
しかし、それが間違いだったとすぐに分かったようです。立ち上がった彼女の後をスクラッピーはついて行き、とてもフレンドリーでした。
バニラはスクラッピーより少しシャイでしたが、新しい部屋の匂いを確かめるとすぐに女性の傍に寄り添いました。

バニラは部屋に入ってきたスクラッピーにとても嬉しそうでした。そして、ひとつのベッドに並んだ2匹にレンズを向けたとき、まるで微笑むような目で見上げたスクラッピーのまなざしはとても幸せそうでした。
シェルターはできれば2匹を一緒に迎えてくれる家族が現れることを願っています。
女性はすでに猫と犬と暮らしているそうですが、2匹が誰かを幸せにするのは間違いない・・・きっと理想の家が見つかると確信したそうです。