ドリューが掬い上げると激しく鳴いていた子猫はすぐに落ち着きました。
子猫がどうやってそこにいたのかは分かりませんでしたが、ドリューは子猫がチャンスをつかんだことの方が重要だと私たちに連絡を取りました。

診察を受けた生後3週の子猫は目に感染症を患っていて特に右目は重傷でした。
子猫は小さくても自分が助けられたことに感謝していて、動物病院でもおとなしく治療をしてもらいました。獣医師に処方された点眼薬を1日3回と抗生物質を服用しました。子猫はよく食べて体の動きも良くなっていきました。

その日の夜、子猫はようやくふかふかのベッドでゆっくりと眠ることができ、それまで眠れなかった分を取り戻すことができました。
私たちは子猫にビンキーと名前を付けました。

施設には長い療養を続けてきたハーローが暮らしています。
ハーローは施設にやってくる孤児の子猫達を見つけると優しく寄り添ってくれるシニア猫です。
ビンキーに気付いたハーローはすぐに彼女に寄り添ってくれました。
ビンキーはハーローの温かい腕の中で喉をゴロゴロと鳴らして眠ることができました。

ハーローの傍にはビンキーより先に暮らしていた生後2か月のソフィーと生後6週のジェジーも集まってきました。
3匹の子猫たちはハーローの周りで仲良くなり、一緒に遊んだり寄り添って過ごしました。

10日ほど経ったとき、ロサンゼルス南部でコロニーのお世話をしていたボランティアが、ひとりで姿を見せるようになった小さな子猫を救出し子猫は施設へ移されました。
私たちはビンキーとモチと名付けたその子猫とペアでお世話をすることを決め、2匹を紹介しました。
するとビンキーはすぐにモチのすることを真似し始め、モチにならって頑張って食べようとさえしました。

モチとビンキーは寄り添いあうようになり、モチはビンキーが元気になるのを助けてくれました。
その後の数日間、ビンキーの回復は加速していったのです。
ビンキーの食欲はさらに増していき、体力をつけた彼女はとても楽しそうに見えました。
食後のビンキーのお腹は丸く膨らんでいます。彼女の体重はようやく1ポンド(453g)を越えることができました。

冷え込んだ夜に、少しでも暖を取ろうと壁の隙間に入り込んだのでは・・・ビンキーを見つけたドリューはそう思ったそうです。小さなビンキーはどんなに心細かったでしょう。
友だちと優しい大きな猫に囲まれている今、ビンキーは見違えるように成長しています。
私たちは小さなビンキーの自信と希望に満ちた表情を見るのが大好きです。