駐車場で子猫のキャリーケースを覗いたとき、引き取る子猫の後ろに小さな子猫が眠っているのが見えました。聞くと兄弟だと言います。しかし、その子猫は兄弟の半分の大きさで調べてみると歯茎が青白くずっと震えていました。
「この子は後ろ向きに走るし、いつも疲れた顔をしているんだ。」
そう話した投稿者に私は
「この子はほかの子猫とは違うわ。この子も連れて行って構わないかしら?」そう言いました。
投稿者は必要な医療を全て受けられるならと私の申し出に同意しました。

投稿者と話をして母猫には避妊治療を受けてもらいました。
自宅でお世話を始めた2匹の子猫にはムースとムンクと名前を付けました。
ムンクは血液検査ではFIVとFELVに陰性、軽度の貧血以外に異常は見つかりませんでした。そして獣医師は神経学的、あるいは先天的なものなのか、彼が抱える問題を特定することができませんでした。
殆ど問題のなかったムースは避妊治療を受けたら新しい家族を探す準備を整えることができるでしょう。しかしもうすぐ生後3か月を迎えようとするムンクの体重は600gしかなく、避妊治療を受けられるほど大きくありませんでした。

ムンクはほかの猫に比べて活動的ではありませんが、遊び始めると夢中になりました。
彼は私が傍にいないと悲鳴に近い鳴き声で私を呼びました。寝るときは私の傍で眠り、ソファでお昼寝をするのが大好きでした。
ムンクはときどき斜視になったり、周囲への反応が一歩遅れました。いつも元気というわけにはいかずランダムにエネルギーを蓄えてそういう時はほかの子猫とも遊びました。
何度か診察を受けたものの彼の問題の原因を特定することはできませんでしたが、生後3ヶ月半を迎えたムンクは原因のはっきりしない震えが止まりました。
その後兄のムースは新しい家族のもとへ旅立ち、私はムンクに友だちを紹介しました。

ムンクに紹介したベティは生後5週で体重が600g。生後4か月近くのムンクは860g。
新しい友達をお互いに気に入った2匹は、約2か月半の歳の差があるのにほとんど同じ大きさでした。
何度か診察を受けたムンクでしたが、獣医師は神経学的な異常を示すものを見つけることができませんでした。ただ、私と出会う以前に脳に外傷を負ったのではないかと推測していました。
少しずつ体重を増やし、震えが無くなったムンクは日常生活においてはほかの猫と殆ど変わらなくなっていました。

社交的で活発なベティと、控えめで人懐っこいムンクはほとんど一緒に過し、寝る時も遊ぶときも一緒でした。
しばらくしてベティが避妊治療を受けたとき、部屋に入った私はひとつのベッドで寄り添いあい、ムンクに腕を回すベティを抱きしめているムンクを見つけました。
ムンクの成長と2匹の絆が伝わってきて私は胸が熱くなりました。

数週間後、ムンクの体重が1.3kgを越えて彼は無事に避妊治療を受けることができました。
そしてその数日後、ムンクとベティは数匹の猫の友だちが待つ新しい家族のもとへ一緒に旅立って行きました。
新し家に到着したベティはすぐにキャットツリーでお昼寝を始め、ムンクは新しいパパとママに寄り添いました。

ムンクの家族を探し始めたとき、私は彼の今後を見守ることができるように地元のワシントン州の近くに暮らし、私が定期的に訪れること、ムンクが必要とする医学的なニーズを提供できることなどを条件に挙げました。
幸せなことに、2匹を迎えてくれた家族はムンクの全てを受け入れてくれた完璧な家族でした。

ムンクの両親は彼が視覚を除くすべての感覚が正常であることに気付きました。両親はムンクは盲目ではないが、いくつかの視覚的な問題を抱えているようだと言います。彼は主に、音や匂いを頼りに物を追跡しているようです。
ムンクは新しい家で全く普通の猫と変わらず、家の端から端までかなりのスピードで走り回って遊びそれは彼が疲れ果てるまで続きます。両親は寝ている以外、ムンクはじっとしていないと笑っていました。
数か月の間、私がずっと夢見ていたムンクの未来が現実となりました。