ハーローは追い出された家の玄関で中に入れてほしいと懇願し続けていましたが、そんな彼を家族は無視し続けました。
ハーローはアレイ・キャット・レスキューが救助した猫の中でも最も健康上の問題を抱えた猫の1匹でした。
ハーローが保護されたとき、半飢餓状態で貧血を起こし伸び放題の被毛の下にはノミがはびこっていました。闘いのために傷ついた左耳は完全につぶれ、口内炎と重い上気道感染症を患い殆どの歯を失っていました。

多くの治療を必要としたハーローでしたが、彼が最初に取り組まなければならなかったのは十分な休養と体重を増やすことでした。
さらにFIV(猫免疫不全ウィルス感染症)に陽性を示した彼は免疫力の低下のために回復にとても苦労しました。
ハーローが健康を取り戻すのは難しいかもしれない・・・何度もそう思った私たちでしたが、彼が戦う意志を失わない限り彼を支え続けると決めていました。
少しずつ体重を増やしたハーローがようやく入浴し被毛を刈ったとき、彼は背骨がすべて見えるほど痩せていました。

ハーローは何年もの間身勝手な人間に傷つけられていたにもかかわらず、施設に来たときから喉をゴロゴロと鳴らして穏やかさと優しさを失っていませんでした。
治療を受けるときも初めての入浴の時も彼はずっと喉を鳴らしていたのです。
数か月後、全ての手術を終えたハーローがほかの猫たちと一緒に過し始めたとき、彼の愛情深い個性がさらに輝きを増していきました。
彼の周りには自然と子猫たちが集まるようになったのです。

アナベルは感染症から回復したばかりで他の子猫から隔離されていました。淋しさのあまり鳴き続けていたアナベルをようやくケージから出すことができるようになったとき、彼女のベッドにやって来たのはハーローでした。ハーローはアナベルを慰めるようにずっと傍に寄り添ってくれました。
その後、健康を取り戻したアナベルや子猫たちは次々に旅立ち、ハーローの傍には若い猫が彼の優しさを求めて寄り添っていました。

ロサンゼルスのボランティアが世話をしているコロニーに見かけない子猫が現れるようになり、彼らが与える食べ物を求めて通うようになっていました。ボランティアは母猫から置き去りになったようだと心配し、子猫を保護することにしました。
施設に移された子猫はモチと名付けられ、ペアリングする子猫を探し始めました。
でもその前に、養育室でモチを見つけたハーローはすぐにモチの傍に寄り添ってくれました。

モチが到着した翌朝、養育ボランティアがモチの様子を見に行くと、どこにもモチの姿が見当たりませんでした。
私たちは彼女が脱走したのかと慌てて探し始めました。すると、ハーローのベッドの中に彼の後ろ脚の下から顔を出すモチを見つけました。
どうやらモチはハーローから離れたくなかったようです。
モチは遊び疲れるとハーローの傍に戻り、多くの時間を一緒に過すようになりました。

ハーローは困っている子猫を見つけるたびに彼らに寄り添ってくれました。
モチの後にボランティアの高校生が見つけたビンキーが加わり、新たにソフィーもハーローの温もりに助けられています。
子猫たちはハーローに希望と自信をもらっています。子猫たちはきっといい旅立ちを迎えるでしょう。

傷ついた動物達が回復した姿を見られるのは私たちにとって最高の喜びです。そして辛い思いをしたハーローには彼にふさわしい幸せをと願ってきました。ハーローの回復の道のりは決して簡単ではありませんでしたが、子猫達に愛情を注ぐハーローはまるで天使のようです。
彼が最初に見つけた喜びはほかの猫を救うことでした。辛い経験をしたハーローだからこそ、助けの必要な猫たちに最も寄り添えるのかもしれません。
猫たちに囲まれるハーローは優しく輝いています。