施設はオスの子にウォーリー、メスの子にイブと名前を付けました。
2匹を迎えに行ったとき回復は難しいかもしれないと言われました。
2匹は生後約3週半でしたが体重が極端に少なく、汚物にまみれてひどい臭いがしていました。
衰弱の激しいウォーリーはイブにしがみついていました。彼は私を見ようともせず、頭を下げてかすれた声で鳴いていました。ウォーリーは目がくぼみ、手に全身の骨を感じるほど痩せていました。

2匹の身体を拭いて保育器に入れて温めました。イブは哺乳瓶からミルクを飲みましたが、ウォーリーはミルクを飲もうとしなかったので経管栄養補給をしなければなりませんでした。
2匹をお風呂に入れて体をきれいにしました。ウォーリーは温かいお湯と柔らかいタオルの感触が気に入ったようでした。夫が2匹の身体を乾かすのを手伝ってくれました。
汚れを完全に落とすことはできませんでしたが、2匹は少し気分が良くなりました。

ウォーリーはどうしてもミルクを飲んでくれず、さらに経管栄養補給のチューブを噛んでしまいました。彼の歯茎は白く乾燥していたので何とか栄養を摂らせたくて、私はお肉のベビーフードをあげてみました。するとウォーリーはそれがとても気に入ってチャンピオンのように食べ始めました。私は嬉しすぎて涙がこぼれました。夜中に起きたときも彼はお肉を半分くらい食べてくれました。

なんとか回復の兆しを見せ始めた2匹は、保育器の中でも片時も離れようとしませんでした。
イブはまるでウォーリーを励ますように傍に寄り添い喉をゴロゴロと鳴らしていました。
2匹は保育器の中でよく眠り、私は夜中にあまり起きる必要がありませんでした。

その後、少しずつ体重を増やした2匹は保育器を出て周囲の探検を始めました。しかし、後ろ足を引きずってなかなかうまく歩くことができませんでした。
施設の獣医師に尋ねてみると、とても狭い空間に閉じ込められていた可能性が高くほとんど筋肉が使えなかったのでは・・・そう言われました。私は2匹の下半身にアンモニアによる火傷の跡があったことにもそれで説明がつくと思い、怒りが込み上げました。
私は2匹にヒーリングマッサージを受けてもらいました。すると、翌日にはほとんど普通に歩くことができるようになりました。

マッサージを続けた2匹はほとんど普通に歩けるようになり、イブが走り出すと彼女を追うようにウォーリーも走って妹の後に続きました。
その後も順調に体重を増やし続け、特にウォーリーの回復ぶりには施設の獣医師たちも驚いていました。

イブは自由気ままな子で、パーティーの中心にいるような魅力的な子です。ウォーリーは静かで彼が何を考えているのかきっと気になってしまうでしょう。
他の子猫たちと一緒に遊ぶようになっても、イブとウォーリーは決して切り離せない固い絆で結ばれていました。

8月のはじめ、旅立ちの準備を整えた2匹は私のSNSで2匹に心を奪われた家族のもとへ一緒に旅立って行きました。
彼らはすぐに新しい家族との暮らしに馴染んで人間のパパの後をいつも追いかけています。

ウォーリーとイブは逆境を全て乗り越えました。イブが居なければウォーリーの今日はなかったかもしれません。2匹の固い絆が未来を掴みました。