生後6か月ほどで妊娠したシャウナは骨と皮にやせ細っていました。唯一生き残ったシェーンは生まれた時にとても大きな声で鳴いたそうです。シェーンはそのときからシャウナのために必ず生き残ると決めていたのかもしれません。
今季初めての養育に2匹のお世話を引き受けた私は、シャウナの回復を助け、彼女が安心して子育てができる環境を整えようと思いました。

シャウナはシェーンに愛情を注いで懸命のお世話をしようとしました。しかし出産後の3週間はミルクを作ることができませんでした。
私は24時間体制でシェーンにミルクを与えていましたが、シャウナはミルクをもらうシェーンのそばから離れず私たちをずっと見守っていました。
シェーンは喉をゴロゴロと鳴らしてミルクを飲み、一度哺乳瓶を銜えると満腹で眠くなるまで飲み続けました。

シェーンはたとえミルクがでなくてもシャウナの胸に顔をうずめ、シャウナに抱かれて過ごしました。2匹は寄り添い合うことでお互いに一番安心できるようでした。
シャウナはシェーンの体をきれいにするにもなかなかコツがつかめずに苦労していました。シャウナ自身がまだ子猫なのに一生懸命母猫の役割を果たそうとしていました。ミルクをあげられないシャウナに私は心が痛みました。

シャウナは私の家に来たときから下痢が続き、食欲もあまりありませんでした。私たちは栄養剤と薬を与えていましたが、シャウナの食欲は戻りませんでした。
数日、元気を失くしたシャウナはシェーンのお世話をしませんでした。
施設で再び診察を受けたシャウナは、彼女を悩ませていたウィルス性胃腸炎の薬をもらい元気を取り戻すことができました。
シャウナがシェーンの頭からつま先まできれいにしてあげるとシェーンはひっきりなしに喉をゴロゴロと鳴らしました。私がきれいにしてあげてもシェーンが喉を鳴らすことはありませんでした。私は2匹の姿に胸がいっぱいになりました。

元気になったシャウナは母猫の役割を全力で果たそうとしました。そして、次第に体重を増やすことができました。
シェーンが歩くことを覚えてベッドから少しでも離れるとシャウナはすぐにベッドに連れ戻しました。
シェーンの成長と共にシャウナはさらにシェーンにから目を離さなくなりました。
シェーンがミルクを欲しがると私を彼のところに連れて行くのですが、ミルクを与えている間はずっとその場を離れずに見守っていました。そしてシェーンが飲み終わって『ニャア』と鳴くとシャウナはシェーンを銜えてベッドに連れて行きました。

シェーンが生後3週を迎えたときシャウナはミルクを作るようになり、シェーンは哺乳瓶のミルクに関心を持たなくなりました。
間もなくシェーンがウェットフードを食べるようになり、彼が初めてお皿に向かったときはシャウナが傍で誇らしそうに見守っていました。
体調が良くなってからのシャウナは母猫として大きく成長しただけでなく、自分が楽しむ余裕を持ち始めてその個性を開花させていきました。

シェーンが離乳を迎えても、2匹の強い結びつきが変わることはありませんでした。シェーンはシャウナの胸に顔をうずめてミルクをもらい、シャウナはシェーンをきれいにすることを止めませんでした。2匹はずっと寄り添いあい、一緒に過す中でシャウナはシェーンに様々なことを教え、躾けました。
シェーンが強く咬みすぎるとシャウナは吠えるように鳴きました。いつもと違う声でシャウナはシェーンに加減を教えているのです。子猫を養育するときそれは私たちの仕事ですが、シャウナが教えているのを見てとても嬉しく思いました。

シェーンにはかなり早い時期から家族に迎えたいという申し出がたくさん届いていましたが、私は2匹を一緒に迎えてくれる家族を探そうと決めていました。
シャウナとシェーンは9月のはじめに2匹を迎えたいという家族のもとを試験的に訪れ、2匹は新しい家族の心をすっかり奪ってしまいました。今月半ばにシェーンが避妊治療を受けたら、2匹は家族のもとへ一緒に旅立って行きます。
シャウナとシェーンには最高の人生が待っています。