ジャクリーンは子猫にナゲと名前を付けました。ナゲの両後ろ足は骨折はしていなかったものの、立ち上がることができませんでした。獣医師は先天的な奇形か以前の骨折が治療を受けることができなかったために硬直しているかのどちらかだと告げました。残念ながら、殆どの場合成長を待って切断手術を受けることになります。
ナゲはひとりでトイレを使うことができましたが、ひとりで食べようとはしなかったのでジャクリーンはナゲの口元にウェットフードのお皿を持っていき食べるように励ましました。

ジャクリーンに愛情を注がれたナゲはすぐに自分で食べるようになり数日後には元気を取り戻していきました。
ナゲはジャクリーンが仕事から帰るとすぐにお腹を見せて喉をゴロゴロと鳴らしました。
自分で食べるようになったナゲは大人の猫のように振る舞い、ジャクリーンは彼の豊かな個性を愛しました。
ジャクリーンはナゲの将来のために24時間体制の養育と彼の脚の治療を求めて地元のレスキューグループファジー・バット・レスキューに託すことにしました。

グループで養育ボランティアをしている私はナゲの写真を見たとき、一目で心を奪われ家族に迎える決心をしました。
ナゲは最初の日から私たちの家族に溶け込んでいきました。小さかったナゲは好奇心の赴くまま、前足を使って家の中を確かめたりほかの猫と挨拶するために探検を始めました。
私たちはナゲの脚の治療法を求めて専門医を探し始めました。

ナゲは後ろ脚の不自由にもかかわらず、ほかの猫たちと同じようにしようとしました。
私たちとの暮らしを楽しみ、順調に成長したナゲはもうひとつの個性が際立ってきました。ナゲの犬歯が成長と共に目立ち始めたのです。
私たちはナゲにスペック・タービュラーと新しい名前を付けました。

私たちの目標は出会ったときからスペックを宇宙で一番幸せな猫にすることでした。
スペックは水槽に入って行う理学療法や、車椅子を使った筋力の維持と強化のトレーニングを始めました。その後、ペンシルバニア大学の専門医の診察を受け、スペックの足に何が起きたのかを今も確かめようとしています。

スペックはとても表情豊かで遊び心があります。彼は家中を移動する方法を知っていて、必要なときに助けを求めます。
私たちはスペックのあらゆる支援要請に喜んで応えるし、彼は自分の暮らす環境と折り合いを付けるのが上手で優れたコミュニケーション能力を持っています。
トイレを使いたい時やおやつが欲しいとき、スペックは私たちに向かって鳴くか私たちをポンポンと叩いて知らせます。

スペックは毎晩私たちに寄り添って眠りますが、眠りに入る前に必ず半時間ほど甘える時間を確保します。朝になると必ず6時直前に目を覚まし、私たちに甘えることから1日をスタートさせます。
スペックは耳を擦るのが大好きで、腕に耳を強く押し当てるので時にはベッドから身体が持ち上がります。
朝食が済むと、ほかの猫と一緒に庭で朝の運動をするのが日課です
私たちはスペックに会わせて早起きを始めました。

ジャクリーンが助けに走り、心を奪われた小さな子猫は少し違った外見を持っていてときどき人間の助けが必要な時もあります。でも子猫は自分に限界を持たず、しなやかに生きる魅力的な個性で周囲を惹きつけて離しません。
宇宙一幸せな猫にしたいと願う私たちに、スペックはありのままの彼の生き方で応えてくれています。