ある日の午後、道路の脇で小さな子猫を見つけました。
燃えるような日差しの下で段ボール箱の横にあるミルクのプラスチックカップに座っていました。ミルクで濡れた子猫は、最悪の世界を見ているように見えました。
誰でもそんな子猫を見つけたら、簡単ではないと分かっていても本能で助けたいと思うでしょう。
私は子猫を掬い上げ、段ボール箱に入れて車に乗せました。

用事を済ませる間、子猫は私の車の後部座席でおとなしく待っていて、私は自宅へ連れて帰りました。
私の自宅には5匹の犬と2匹の猫が一緒に暮らしています。
その頃の私はスケジュールがいっぱいで時間に余裕がありませんでした。そして私はとてもナーバスになっていて人生で最も辛い時期でした。

もしあなただったら。
それでもあなたは子猫のための部屋を作り時間を確保するでしょう。
私はバスルームに子猫のベッドとトイレを用意しました。

お腹を空かせた子猫にミルクを与えると、子猫は必死になって飲みました。
子猫は震えていてとても小さくとても淋しそうに見えました。
私は子猫のベッドにネズミのぬいぐるみを置きました。

子猫が小さかったので私は何日も子猫がオスなのかメスなのか分かりませんでした。
子猫にミルクを与え、体を冷やさないように温かく保ち、抱きしめ、お風呂に入れて世話をしました。

ギリシャには数百万匹の野良犬と同じくらいの数の野良猫が暮らしていると言われています。
この小さな子猫も夏のはじめに辛い経験をした1匹…私は自分にそう言い聞かせようとしました。
しかし、どんなに自分を言い聞かせようと、小さくて淋しそうな子猫はどんどん私の心の中に存在を大きくしていきました。
数日後、子猫がオスだと分かり、私は子猫にルディと名前を付けました。
5月頃に生まれたルディは平均よりもずっと小柄でした。

ルディは固形の食べものを自分で食べ、トイレを使えるようになり、家の中を探検し始め遊び相手を探しました。
しかし残念ながら私の犬はルディに無関心で猫たちはどちらかといえばルディを嫌っていました。
ルディの孤独は解消されず、私が何をしても役には立ちませんでした。
友人は『犬が5匹、猫が2匹もいてどうやったら孤独でいられるの?』そう言いました。
確かにそう・・・だけど、いつもひとりでいる寂しそうなルディを見ると私はときどき泣いてしまいました。

私は今までにルディのような捨てられた子猫を数多く見てきましたが、1匹の子猫に特別なものを感じたことは1度もありませんでした。何がルディを特別に感じさせるのか私には分かりませんでした。

ある日、私はルディをSCARS(Second Chance Animal Rescue Society)の養育室に連れて行きました。
私は自分でも不思議なくらい緊張していました。きっと保育園デビューする新米ママと同じで、不安と緊張のためにドキドキしていました。

でも、ルディは5分もしないうちに探検を始め、オモチャで遊び、飛び回り、よじ登り・・・こんなに幸せそうなルディを見たのは初めてでした。
全ての救助者に言えることだと思いますが、自分が救助した子猫は自分の子供のように特別に可愛いものです。大勢の子猫たちの中でルディは一番小さかったけれど一番かわいくてユニークで、私は最高の子猫だと誇らしく思いました。

安静にしているときは全く分かりませんが、以前から私はルディに軽度の振戦があることに気付いていました。
数週間後、成長と共により活発に動き回るようになったルディはよく転び、そのたびに何事もなかったように起き上がりました。
そしてルディは運動失調を抱えて生まれていると診断されました。
先天的な神経伝達の異常ですが、ルディ自身は苦痛を感じることはありませんし、何でも自分ですることができます。

私は小さなルディに新しい人生のチャンスを与えたい、ただそれだけでした。
私にとってのルディを特別にしていたのは彼に注いだ愛情に他なりません。
そして私は自分が辛い時期を乗り越えることができたと感じました。
ルディに注いだ愛情はいつの間にか私自身を救っていたのです。
ルディは私に多くのものを与えてくれた特別な子猫です。

彼は今、新しい家族を探し始めました。