その日の午後になって、私達はようやく家の前の草むらに小さな子猫がいるのを見つけました。
子猫は私たちに気付くと茂みの中から頭を突き出しました。
私たちが子猫にそっと近づき始めると、子猫も近付いて来ました。
子猫は怖がっていてかなりのストレスを感じているようでした。

辺りにほかの猫の姿はなく、子猫はひとりぼっちのようです。
子猫はとても怖がっているけれど逃げようとはしないし、自分から目を離さないでほしい・・・そんな風に見えました。
私はそっと子猫を掬い上げて肩の上に抱きました。

両手で包めそうなほど小さな子猫は不安そうな目が少し腫れていました。
しばらく子猫をそっと撫でていると、子猫は次第に落ち着いて来て小さく鳴くようになりました。

近所の人に子猫のことを訪ねて回りましたが、最終的には野良猫でどうやら置き去りになった可能性が高いようでした。

私はまだ引っ越しの途中で今までの家と行き来している状態です。
ガールフレンドが私の引っ越しが終わるまで子猫を預かると言ってくれました。

ガールフレンドが子猫を動物病院へ連れていってくれ、獣医師はノミの治療をして目薬を処方してくれました。
病院から帰ってきたガールフレンドは子猫にウエットフードをあげました。
子猫はよほどお腹が空いていたのかボウルに前足を入れてお腹いっぱいになるまで食べていました。

お腹が満たされた子猫は、私たちの膝の上で頭やのどを擦られて喉を鳴らし始めました。
その日の夜、子猫はぐっすりと眠ることができました。

私は15年前のことを想い出していました。

偶然ですが、私は15年前に同じような経験をしました。勿論、この子猫も歓迎します。

引っ越し先で小さな家族が増えるとは思ってもみませんでしたが、彼女が私を選んでくれて嬉しいです。
新しい暮らしにひとつ楽しみが増えましたからね。
ガールフレンドの家で子猫はかなり甘やかされています。