私は獣医師から子猫達を引き取りました。しかし哀しいことに1匹はすでに息を引き取っていました。
生き残った2匹にはメスの子にイブ、体の小さなオスの子にウォーリーと名前が付けられていました。
2匹とも骨と皮にやせ細り、特にウォーリーは食欲を失くしてぐったりとしていました。
2匹ともゴミ袋の中で自分の排せつ物の中にいたために脚とお腹にアンモニアによる火傷のような炎症を起こしていました。
ベッドの中でウォーリーはイブの腕の中に潜り込むように身を寄せていました。

自宅に2匹を連れて帰った私は2匹をお風呂に入れました。
2匹とも温かいお風呂が気に入ったようでしたが、洗っている私の手は彼らの全身の骨を感じていました。
いくらしっかり洗っても、体にこびりついた汚れは完全に落とすことはできませんでした。
それでも、かなりきれいになったのが嬉しそうで、ウォーリーはお湯と柔らかいタオルの感触をとても喜んでいました。
2匹は快適な保育器の中で眠りにつきました。

私は水分と処方された薬を与え、時間ごとのミルクを与え始めました。しかし、ウォーリーはなかなかミルクを飲もうとしません。私はチューブを使って飲ませようとしましたが、彼はチューブをかじって飲もうとしなかったのです。なんとか栄養を摂らせたかった私と夫はスプーンで離乳食のお肉をあげてみました。するとウォーリーはお肉が気に入り驚くほど食べ始めたのです。私は嬉しくて涙がこぼれました。

2匹はとてもユニークな鳴き声をしていました。恐らくゴミ袋の中で必死に助けを求めて鳴いていて声をからしてしまったのでしょう。
さらに、イブもウォーリーも後ろ足を正常に動かすことができずに引きずるように歩きました。私は動物虐待防止協会の獣医師に2匹の後ろ脚についてメールで尋ねてみました。
彼らによると、歩くことができないとても狭い空間に閉じ込められていたのではないかといいます。推測にすぎませんが、彼らがアンモニアによる炎症を起こしていたこともそれで説明がつくと考えていたのです。
私は怒りを覚え哀しくなりましたが、今ここに2匹がいることに感謝しました。

衰弱の激しかったウォーリーに比べ、イブは比較的体調の回復が早く、彼女は常にウォーリーのそばに寄り添って彼を励まし続けていました。
もしイブが居なかったら恐らくウォーリーは生き延びることができなかったでしょう。イブはウォーリーに生きたいという意志を与えていたのです。そしてウォーリーはイブのためにそこにいる必要がありました。2匹を間近に見ている私は心からそう思いました。

私は2匹の弱った後ろ足の筋肉を柔らかくほぐし、血行を促すためにマッサージ療法を受けてもらいました。
日中はキッチンで過ごし、遊びは2匹の筋肉を鍛えることにつながりました。
ウォーリーは始めのうちは後ろ足を引きずっていましたが、旺盛になった食欲とマッサージ療法の効果もあって次第に走れるようになっていきました。
そしてわずか6日の間にイブは体重を58g、ウォーリーに至っては104gも増やすことができました。

2匹が我が家で暮らし始めて2週間が経過し、日を追うごとに元気になっていました。イブはどこへでも探検に走り回り、ウォーリーもほとんど普通に走れるようになりました。
私たちが初めて会ったとき2匹の目はとても悲しそうでした。でも今はキラキラと輝いています。ちょっとユニークな鳴き声は哀しくて枯れているのではなく、楽しくて仕方がないと笑っているように聞こえます。

兄弟を亡くしてしまうほど辛い始まりだった2匹は、お互いの最大の支えとなり、生き延びることができました。
ウォーリーは後ろ足にわずかに問題が残っていて、私は今もマッサージ療法を続けています。
幸運のしるしポリダクチルに生まれたウォーリーは最愛のイブと支え合いきっとすべてを乗り越えるでしょう。わずか半月で驚くほどの回復をみせてくれた2匹の小さな子猫は、私たちをいつも笑顔にさせてくれます。