生後6週の子猫にはカトラ、生後4週のもう1匹の子猫にはヘクラと火山に因んだ名前を付けました。

カトラは人間に接触したことがなく、もし接触があったとしても決していい経験ではなかったのかもしれません。
私たちが近付いたり視線を合わせようとするだけで、シャーッと威嚇したり唸り声をあげて怯えていました。
タオルにくるんだ彼女に触れようとすると、恐怖のあまり彼女の瞳孔が丸く大きくなるのが分かりました。

一方、救助隊には同じ時期に別に保護された生後4週のへクラが居ました。へクラは体重が500gにも満たないほど痩せていてカトラの半分の重さしかありませんでした。
へクラもひとりぼっちで保護されていましたが、彼女はとても大きな声で鳴き、堂々として勇敢で好奇心が旺盛な子でした。救助隊では彼女の物怖じしない個性が周囲を魅了していました。
私はヘクラの積極的な個性がカトラの恐怖を取り除くのにきっと大きな助けになると思いました。
私はカトラとへクラをペアで一緒にお世話しようと思いました。

へクラとカトラの部屋には子猫用の監視カメラを置いていました。その映像を見ると、カトラがヘクラと一緒にキャットフードを食べたり、動き回ったり、追いかけっこをして遊んだりする様子が見られました。
そして夜になると2匹はずっと寄り添って眠りました。
しかし、私たちが彼女たちの部屋へ入っていくと、へクラはやはりフリーズしてしまいました。

私の夫、イアンは私の養育ボランティアの活動にとても協力的で、いつも子猫たちのお世話を手伝ってくれています。
イアンは早速、怯えているヘクラに優しく話しかけ彼女を両腕に抱きました。
最初のうちへクラは目を見開いて固まってしまいましたが、それでも強制的にイアンの腕の中で過ごすうちに少しずつ喉を鳴らすようになりました。さらによほど心地よかったのか、ついにはイアンの腕の中で眠ってしまいました。

へクラは何にでも興味を示し、すべ他のものの匂いを嗅いで確かめ、新しい発見をするとしきりにおしゃべりをしました。
カトラは彼女たちの部屋に私たちがいるとすぐに隅の方へ隠れてしまったので、始めのうちは私たちはカトラに気付かないふりをするようにしました。
カトラとへクラはまるで正反対のペアでしたがとても仲が良く、年下のへクラが完全に主導権を握っていました。

最初は私たちと視線を会わさないようにしていたカトラでしたが、イアンの腕の温もりに何かを感じたときから少しずつ状況が変化し始めていました。
特に神経質になっているときはまだ威嚇するような声を立てますが、私とイアンは毎日少しずつ彼女の限界を試しました。
そしてカトラは次第に怖がる必要が無いと気付き始めました。

元気なヘクラの唯一の心配は彼女の体重が思ったように増えないことでした。
へクラは先週いくつかの検査を受け、全てが正常値であることを確認することができました。今のところ、皮下注射とプロバイオティクスと食事の回数を増やすことで様子を見ているところです。

カトラが積極的に私たちとふれあうまでにはもう少し時間が必要です。でもカトラはどんどん勇気を出してきています。彼女に勇気を出すことを教えてくれたのはきっと小さなヘクラでしょう。
カトラは私たちの腕の中でふれてみたり、手を伸ばしたり、見上げることを楽しめるようになっています。
全てを怖がっていたカトラに必要だったのは、自分への愛情を感じる機会でした。
人間の温もりに気付いたカトラは今、新しい人生の入口に立っています。