ニューヨークで暮らすある住民が通りをさまよっている助けが必要な野良猫を見かけ、ロリポップ・ファームに助けを求めてきました。
保護された野良猫は約7歳のオスでした。
全身がノミに覆われ、汚れた被毛が固くに絡み合っていました。
猫は両後ろ足を自由に動かすことができず、排泄にも問題を抱えていました。そのため、両後ろ足に重度の感染症を患っていて診察した獣医師にマンクス症候群と診断されました。

マンクス症候群とは、先天的に脊椎が短く猫によっては推骨などが欠損することがあり、その場合歩行困難や排泄の障害といった症状を引き起こします。
私たちは野良猫にウォルターと名前を付け、感染症とノミの治療を施しお世話を始めました。
健康上の問題をいくつも抱えながら、ウォルターは明るく治療を受けられることをとても喜んでいました。

ウォルターは徐々に気分が良くなり、医療エリアの「ビーチ」と呼ばれる床暖房の入った場所がとても気に入りました。ビーチは下半身に障害を抱えるウォルターにとってとても快適な場所だったのです。
ビーチはもともと手術を受けた動物たちが麻酔から快適に目覚められるように用意された場所でした。
ウォルターは術後の動物達を見るうちに本能的に何かを感じたのでしょう。
彼はそこで動物達に寄り添い始めました。そして子猫を見つけるとすぐに毛づくろいをして優しく抱きしめるようになったのです。
ケガや病気の治療のためにここへやってくる小さな子猫たちは、ウォルターのおかげですぐに自分の居る場所が安全であり、自分が愛されていると感じることができました。

健康を取り戻したウォルターでしたが、彼の暮らしには誰かのお世話を必要とします。私たちは彼が施設で暮らすことが最善であると判断しました。
施設で暮らせば後ろ足の状態を常にチェックすることができ、彼にとって快適な環境を提供することができると考えたのです。
2年前、ウォルターは施設の猫として新しい人生を歩み始めました。

2018年6月、私たちのもとへ後にベンディと名付けた子猫が運び込まれてきました。
ベンディは道端で衰弱しきっていたところを近所の住民に発見されました。彼はとても痩せていて肺炎の症状で苦しんでいました。医療スタッフは投薬と点滴の治療を始めましたが、まだ母猫のお世話が必要なベンディが生き延びることができるのかは不確実でした。
しかし、スタッフが自宅でお世話を続けた結果、何とか元気を取り戻すことができ昼間は医療エリアで過ごせるまで回復することができました。
ビーチでベンディを見つけたウォルターは、小さなベンディに何が必要なのかをすぐに感じ取りベンディに寄り添うと舐めたり抱きしめたりと愛情を注いでくれました。
その後ベンディは順調に回復し元気に成長することができました。

ウォルターはホームレスの子猫や子犬だけでなく、時には家畜にも寄り添ってくれます。
ウォルターに愛情を注がれた動物たちは、健康を取り戻すと次々に永遠の家へ旅立っています。

今月のはじめ、医療チームは9歳を迎えたウォルターの誕生日を祝いました。
過去2年間、彼は治療を必要とする数多くの動物達が健康を取り戻し、人生の新しいステージへ旅立つ手助けを続けていました。
私たちは彼に敬意を表して誕生日をスタッフ全員で祝いたかったのです。

厳しい外の暮らしから救出され、かつては患者として施設で暮らし始めたウォルターだからこそ、彼はここに来る同じ境遇の動物達に何が必要なのかを知っています。
彼は辿り着いたこの場所で暮らす代わりに、仲間たちが新しい人生を始める手助けをすることに喜びを感じています。
ウォルターはここから旅立って行ったたくさんの動物達とその家族に感謝されています。