私が子猫に会いに行くと、ケージの中の子猫は丸まっていてほとんど動きませんでした。子猫に振戦(体の一部が無意識のうちに震えること)が見られることからシェルターは先天的な神経系の異常(小脳形成不全)の可能性があると判断しました。しかも子猫は生後4週と小さく引き取り手を探すこともできませんでした。
シェルターは仕方なく安楽死を決めたのです。
しかし子猫はトイレを使うことができ、よろよろとしながら歩くこともできました。
私は心細い目をした子猫を何とか助けたいと思いました。

私は子猫にホイットニーと名前を付けました。
ホイットニーは力がなく、寝返りを打って起き上がるのにとても時間がかかりました。
しかし、ひとりぼっちのケージの中から出たことが彼女に変化をもたらし、すぐに元気を取り戻し始めたのです。
ホイットニーのふらつきや振戦の原因は分かりませんでしたが、安心して過ごせる私の家での暮らしがきっと彼女を元気にすると思いました。

1日も経たないうちにホイットニーは足をあげて歩くようになりました。トイレをひとりで使い、ふらつきながらも歩くこともできました。食事の入ったボウルのところまで自分で歩いて行き、オモチャで遊ぶのも大好きでした。
確かに転ぶこともあり、起き上がるのに1分以上かかかってしまいます。歩くときに前足を少し引きずっていましたが、それを除けば普通の子猫と大きな違いはありませんでした。

私たちに慣れてくると、ホイットニーは私たちの注意とふれあいを欲しがってずっと鳴くようになりました。
彼女と1対1で過ごす時間がいくらあっても、彼女はとても淋しがって鳴き続けたのです。
私はホイットニーには同じ年頃の友達が必要なのだと思いました。

ちょうどその頃、私はゴミ箱の傍で通りかかった人に救われた兄妹の子猫を育てていました。
ピッコリーノとバンビーナです。とても小さかった兄妹を私と夫は24時間体制のお世話で健康に戻しました。

1週間ほど経って感染症の心配がなくなったホイットニーに、私は兄妹を紹介しました。
すると、ピッコリーノとバンビーノの兄妹はホイットニーを受け入れ、3匹はすぐに本当の兄妹のように遊び始めたのです。

その後数日間、ピッコリーノとバンビーノと常に一緒に過したホイットニーは果てしない淋しさから解放されただけでなく、彼女の足に力が出てふらつきがかなり改善されていったのです。
もう2度と孤独になることはない・・・きっとホイットニーはそう感じたに違いありません。どんな治療よりも、ホイットニーにとって友だちの存在こそが生きる希望を与え力を与えたのです。

3週間後、私はかかりつけの獣医師へホイットニーを連れて行きました。
獣医師はホイットニーにスイマー症候群を疑っていました。これは生後間もない新生児の猫の稀な発育上の奇形で、主に後肢が横に広がり立ったり歩けなくなってしまいます。今のホイットニーには痛みや不快はありません。
獣医師はピッコリーノやバンビーノと一緒に遊ぶことをホイットニーの足のためにはとてもいいことだと励ましてくれました。

ひとりぼっちの孤独の中で希望を失っていた子猫は、同じような境遇の兄妹と友情を結び、人生を救われました。私は3匹を引き離すことが考えられないので、彼らを一緒に迎えてくれる心の広い人を必ず探そうと決めています。それが私の責任だと思っています。

部屋の中を元気に走り回るホイットニーは最高の友達に囲まれて幸せを感じています。