ハービーは元の飼い主が介護施設で暮らすことになり新しい家族を探していました。
私たちがハービーと過ごした時間はわずか5か月の短い間でしたが、ハービーは私たちの中でずっと生き続ける特別な存在になりました。

ハービーと出会ったRSPCA(英国動物虐待防止協会)のウェブサイトを見ていたとき、トビーと名付けられた猫に私はいわゆる一目惚れをしました。彼にはクイントンという親友が居て施設は2匹を一緒に引き取ってくれる家族を探していると書いてありました。

トビーはFCA(feline cutaneous asthenia)猫皮膚無力症、人間にはエーラス・ダンロス症候群(Ehlers-Danlos syndrome)としても知られる遺伝性の皮膚疾患を抱えていました。
身体がコラーゲンをきちんと作らないために、伸縮性のある皮膚がとても傷つきやすくなかなか完治が難しいとされています。トビーの皮膚がたるんでいるのは以前の飼い主が放置していたことが主な原因だと考えられていました。
2018年10月、私たちはRSPCAへ彼らに会いに行き、トビーとクイントンを家族に迎える手続きをしました。

2匹がRSPCAにやって来たとき、彼らの健康状態はとても悪い状態だったそうです。クイントンは彼の歯を全て抜かなければならず、トビーも数本の抜歯が必要でした。
2匹は施設の中でいつも一緒に過し、特にトビーは常にクイントンの陰に隠れるように怯えて過ごしていたそうです。
それは私たちと暮らし始めてからも変わりませんでした。

トビーとクイントンは数週間をベッドの下で過ごし、食事もベッドの下に持って行かなければなりませんでした。2匹は私たちが外出するとベッドの下から出て来ていたようです。
2匹の信頼を得るまでにはとても長い時間が必要でしたが、私たちはトビーとクイントンがいつか心を開いてくれると信じて彼らを待つと決めていました。

クイントンが私たちとの暮らしに慣れはじめ自信を付けてきたとき、トビーもまた自分の殻から少しずつ抜け出し始めるのが分かりました。トビーはクイントンの存在そのものに癒されていて、常に彼の後を付いてまわりました。
クイントンが家の中を探検し始めたとき、トビーもまた彼の後ろについて家の中を歩き回り始めました。
そして、2匹は私たちの家が彼らにとって安全で怖がる必要が無いと気付くと彼らの個性が花を開いていきました。トビーはとても素直な性格なのでクイントンが好きなものは何でも好きになりました。

日が経つにつれてトビーは自信を付けはじめ、私たちの家を自分の家だと感じリラックスして過ごせるようになっていきました。
そしてある日、ついにトビーは私たちに甘えるようになりました。

私がキッチンでコーヒーを入れているとトビーは走ってきて私が何をしているのか観察します。
そして思い切り体を伸ばして「ぼくにも何かちょうだい」って鳴くようになりました。

本来のトビーはとても陽気で生き生きとした個性を持っていました。今のトビーは殻に閉じこもりビクビクと怖がっていた以前の彼とは全く別の猫です。
トビーはお腹を擦られるのが大好きで柔らかいボールや靴ひもで遊ぶのがお気に入りです。
トビーはまだ子猫のような気質を持ち続けていてクイントンと一緒に遊ぶのを何よりも楽しみにしています。

トビーはときどき、デリケートな皮膚に痛みを感じるときがありますが、そんなとき、クイントンはいつも優しくトビーの身体を舐めてきれいに整えています。
クイントンはトビーを本当の兄のようにいたわっています。

2匹を家族に迎えたとき、トビーはとても小さな猫にも拘わらず余分な皮膚のために体重が5.7kgもありました。
でもトビーは家族の誰からも愛される健康な猫です。
トビーにとって症状がとても軽いのは幸運でしたが、私たちはトビーの安全でベストな状態を保つために爪を切り、家の中を清潔に保って彼に傷をつけないように細心の注意を払っています。

私たちが仕事から帰ってくるのを彼らは窓の傍で待っていて、私たちを見つけると、ドアまで走って出迎えてくれます。
トビーとクイントンは私たちとの暮らしを心から楽しんでいます。
トビーにとってクイントンという親友が居たことを私たちは何よりの幸運だと感じています。