女性の話によると彼女の猫はすでに避妊治療を受けており、家と外を自由に出入りすることができました。
恐らくキャット・ドアから子猫達を家に連れて来たのだろうと言います。
ショックを受けた女性は外に出て母猫を探しましたが見つけることができず、彼女の猫がどこで子猫達を見つけたのかも分からなかったそうです。
女性の猫は子猫を育てることができませんが、子猫達を助けようとしたようです。
私たちが迎えに行ったとき、子猫たちはベッドの下に潜み、近付こうとすると目を大きく見開いて必死に威嚇してきました。

子猫たちは生後約3週、とても痩せていてしばらくミルクをもらえなかったようです。
私たちは母猫も野生で恐らく亡くなってしまったのではないかと思いました。

車の中の子猫たちは人間を怖がって目を大きく見開いたままずっと威嚇していました。
子猫の1匹に眼振(眼球が痙攣したように動いたり揺れたりすること)が見られることに気付き、すぐに動物病院へ向かいました。

診察を受けた子猫たちは重度の栄養失調と脱水症状に苦しんでいて凍傷が見つかりました。
眼振の見られた子猫に私たちは脳の損傷あるいは神経障害を心配していましたが、最終的には栄養失調と極度の恐怖とストレスが原因の一時的な症状だと分かりました。
私は子猫たちの回復を図るため、自宅に連れて帰り数日間お世話をすることにしました。

間もなく2匹は恐怖心が薄らいで少しずつ私に甘えるようになってきましたが、一番怖がっていた子猫にはもっと時間が必要でした。

養育ボランティアをしているクリスティーンが子猫たちのお世話を引き受けてくれることになりました。
クリスティーンの家にはかつて保護されたオス猫のロキが一緒に暮らしています。彼は人間との暮らしに慣れていない3匹をとても可愛がり、3匹はロキのことを慕うようになりました
特に一番怖がっていた子猫は、ロキと一緒に過していくうちに自信を付けることができ人間がそれほど悪くないことを理解していきました。

1週間ほど経って3匹の血液検査の結果が出ると幸い命に関わる感染症には全て陰性でした。
3匹がメスだということが分かり、クリスティーナは3匹に名前を付けました。
クリスティーナがすでに心を奪われた生姜色にマータンザス(通称マティ)、タビーにハバナ、そして怖がっていた生姜色にバラデロ(通称ベラ)またの名をヒッシー・ベビー(笑)
3匹はクリスティーナとその家族、そしてロキに愛情を注がれて順調に体重を増やしていきました。

3月に入り、バラデロは完全にクリスティーナに信頼を置くようになり、威嚇したり逃げようとはしなくなりました。むしろ最初に喉を鳴らすようになりました。

3匹は新しい家族を探す準備を始めることにしました。

3月の終わりにマティが新しい家族のもとへ旅立ち、4月にはハバナとバラデロも次々に旅立って行きました。
今、彼女たちは迎えられた家で家族に囲まれて幸せに暮らしています。

人間を怖がっていた子猫たちはそれぞれに新しい人生を歩んでいます。

クリスティーナは養育ボランティアを始めて1年余り、その間にたくさんの子猫を育ててきました。
しかし、3匹のお世話を引き受けてくれたとき彼女はバラデロについて多少不安を抱えていました。
経験の浅い自分が人間との接触を拒否する子猫と信頼関係を結べるのか自信がなかったと言います。
クリスティーナの不安は彼女自身の努力と献身、ロキの助けを借りて1か月後には全て解消されました。
そして大きく実を結びました。
クリスティーナはバラデロから多くのことを学んだと話しています。
クリスティーナは3匹との経験をこれから出会う子猫たちにきっと活かしていくでしょう。