同僚はその猫の写真を見せながら熱心に話を続けました。
猫は数か月の間食べものと居場所を求めて近所の家から家へさまよっていたようです。同僚はガレージにヒーターと食べものと水を置き、猫は夜と凍える寒さをそこで凌いでいるそうです。
猫はとても人懐っこくて同僚の後を子犬のように付いてまわり、同僚のパグ犬との遊びを楽しんでいるそうです。

見るからにフワフワの猫は恐らくラグドールでしょう。オスなのかメスなのかは分かりませんでした。同僚のお世話のおかげでふっくらとしているようですが、もしメスなら妊娠しているかもしれないと思いました。
辛い目に遭った猫のために今度こそ猫に愛情を注いでくれる家族を見つけることができないか・・・同僚は私に猫のお世話ができないかと言いました。勿論私はすぐに『YES』とこたえました。

数日後、同僚の家へ猫を迎えに行きました。
猫はとても優しくおとなしい性格でずっと私の家で暮らしていたように堂々と歩き回りました。
見た目は健康そうでとても食欲があります。
耳の後ろと足と尻尾の近くにいくつか被毛が絡まった塊を見つけました。
私は早速健康診断と身だしなみを整えるために動物病院を予約しました。
その時点でオスなのかメスなのかを確かめるまでには近づけませんでした。

動物病院で診察を受けた猫はとてもおとなしく、紳士的でスタッフの誰もが猫の人懐っこさに心を奪われていました。
猫はオスで、目や歯の状態から2~3歳と推定されました。体重は5.4kg、血液検査の結果はすべて陰性でしたが、上気道感染症のため数週間分の抗生物質を処方されました。
避妊治療を受けていましたが、マイクロチップは見つかりませんでした。
見つけていた被毛の塊をきれいに取り除いてもらい少しさっぱりしましたが、投薬を終えたら本格的なグルーミングをしてもらう約束をしました。

バレンタインデーが近付いていたので、私は猫にバレンチノと名前を付けました。
バレンチノは温かで穏やかな家の中で過ごせることをとても喜んでいるように見えました。
バレンチノは処方された薬の味が嫌いで吐き出してしまいました。私はウェットフードに混ぜて与えるためにいくつかを試し、バレンチノが薬の混ざったご飯を残さず食べるようにドライフードを制限して与えました。

ありがたいことに私のSNSでバレンチノを知った人たちの中からたくさんの問い合わせが届くようになりました。私は治療を始めたばかりのバレンチノは傷ついた心をケアし、完全に健康を取り戻す必要があることに集中しようと思いました。さらに潜在的な問題が隠れていないかを見極める必要があると考えました。

日に日に回復に向かったバレンチノは、気分がよくなるにつれてオモチャで遊ぶようになり、キャットツリーにお気に入りのお昼寝スポットを見つけました。

数週間後に投薬を終えたバレンチノは獣医師の診察を受け、念願のグルーミングを受けることができました。
バレンチノを担当したトリマーはバレンチノの紳士的な態度を絶賛して彼を引き取れないかと尋ねたほどでした。私は彼女に彼には多くの希望者が待っていてまだ何も決まっていないと話しました。

通りをさまよっていたバレンチノは同僚のもとに辿り着き救いの手を差し伸べられました。
私たちはずっと彼にふさわしい幸せな人生を取り戻してほしいと願ってきました。

健康を取り戻したバレンチノはこの数か月の間に私の家族の心をもすっかり盗んでしまい、私はバレンチノを家族に迎えることを考えるようになりました。
かつて私が育て、私たちの家族に加わったジョジョと並んでお昼寝をするバレンチノは、日差しの中でサファイア色の瞳がキラキラと輝いています。