子猫たちの母猫は近所の住人たちに食べものをもらっていたそうですが、私は母猫の姿を見ることができませんでした。4匹は交通量の多い通りの近くの資材置き場にいました。トラップで捕獲するのが最も安全ですが、その場所ではできませんでした。子猫達を安全にそこから外に出すには頑丈なグローブを付けて手で捕まえる以外に方法がありません。しかしそれは子猫達との信頼関係を築いていくその後にとって最悪のスタートです。特に生後8週前後の場合、人間の手にネガティブな印象を持ってしまうとあとが手に負えないのです。
でもこのときは私はその方法をとりました。
身をよじり叫び声をあげていた4匹をなんとか無事に捕まえることができました。

連れて帰った子猫達を空のバスタブの中に入れました。それで最初の日は何もすることはできません。
子猫たちが落ち着いてくれるのを待つしかないのです。

そして翌日、私は子猫達の世話を依頼した養育ボランティアのアリスンの家へ連れて行きました。
バスルームの隅に隠れてしまった子猫達をベビーフードで誘い出そうとしました。最後まで残っていたのがフランニーでした。フランニーは何度もスプーンを払いのけて威嚇を止めませんでした。しかし、何度も繰り返すうちに口もとへ辿り着いたスプーンにフランニーの表情が変わりました。このサインを私は待っていたのです。今後数週間で食べものをきっかけにフランニーの信頼を得ることができるというサインだからです。

私たちはDawn dish soap(ドーンの食器用石鹸)をノミ用の風呂に使います。子猫に本当に敵意があると感じるなら入れなくても構いませんが、大概、完全に投薬に頼るには子猫たちは若すぎるかもしれません。最初の1週間は食べものに見せた反応のように信頼関係を築く徴候を示すサインを本気で探します。
これから数週間、アリソンの目標は子猫たちが人間とポジティブな関係を築くことであり、私はフランニーが近くにいるときだけ食べものを与えるようにします。

数週間後、4匹の子猫全員がアリソンの努力のおかげで遊びを楽しめるようになりました。しかし、フランニーはまだ人間に対する怯えを見せる瞬間がありました。私はフランニーだけを自宅に連れて帰り、1対1で向き合うことにしました。
残念ながら救助隊や保護施設には子猫と1対1で向き合うだけの時間もスペースも十分にはありません。例えば4匹の子猫を養育ボランティアのもとへ1匹ずつに分けて送るとなど時間や場所を有効に使うことにはなりません。
フランニーたち4匹の場合、私は同じレベルで信頼関係を築きたいと思っています。他の3匹がほとんどうまくいっているので同じように最終的にはフランニーの信頼を得たいと思いました。

私は毎日1~2時間をフランニーと過ごし、人間が脅威ではないと彼女に感じてもらうようにしました。数週間後、本当に彼女は大きな進歩を見せはじめましたが、彼女はまだ私の手に問題を抱えていました。
陽気なボディーランゲージ(遊びたい)を見せた直後に彼女は私の手を噛むこともありました。フランニーはまだ人間を信用しきれていないのです。
私と遊んでいるとき、私の手がフランニーにアプローチをかけると彼女の耳が平らになりました。
この頃のフランニーは私の膝の上でお腹を見せていたのです。
私はこの問題に取り組む必要がありました。
フランニーはこの1年で最も難しい事例でした。

私は1週間連続でフランニーの食事を毎回手で与えることにしました。率直に言って悪い情報は私の手がいつも魚臭いということで、よい情報は私の手が新しいイメージをフランニーに与えるのにとても早く働くということです。
このおかげで今のフランニーは私の手を脅威と感じるのではなく、彼女の食べものや遊びの時間の源になっていてそれは彼女の中でつじつまが合うようになってきています。他の救助者たちも新しい子猫を育て始めるときにすぐに始められる重要なステップだと話しています。たった一度の会話で心が通じることは難しいけれど、それは猫も同じことで、私はフランニーに何度も繰り返すことで人や手が脅威ではないと証明する必要がありました。私の手から食べ物を食べることで、フランニーは私の手は良いものと思うようになっていったのです。

食べものが動機ではなく、何もなく愛情を求めてくるのを見るのは本当に素晴らしいです。ここに来て私はフランニーの新しい家族を探す時期が来たと思いました。
フランニーが私と信頼関係を築いたように、新しい家族とも絆を結ぶことができると確信しました。
私はフランニーとの交流を記録していたので、フランニーを家族に迎えることを考えている人達が彼女の信頼を得るために何が必要なのかを理解してもらうのを簡単にすることができました。

フランニーは救出から5か月後の11月マルという姉の待つ家へ旅立って行きました。
デイジーは8月に先に旅立ち、ドミノという妹を可愛がっています。シーモアは9月に旅立ち、兄のベータと仲良くやっています。ズーイは12月に旅立ちました。4匹全員が永遠の家を見つけました。私は彼らを誇りに思っています。
アメリカでは人間への恐怖を抱く子猫たちと信頼関係を結ぶ時間と空間がほとんど足りていません。フランニーの記録が役に立つヒントとして共有されることを願っています。