『はじめのうちは服が落ちているのかと思いました。でも近付いてみたときに一目見ただけでそれが何なのか分かり、とっさに運転席から飛び出していました。』

クライドさんが思わず飛び出して行った先には3匹の小さな黒猫が、雪の中で一塊になってうずくまっていたのです。氷と雪の中で身を寄せ合って必死に生きようとしていました。周囲には足跡がなく恐らく道路から投げ出されたのだと思ったそうです。

『トラックから見下ろすと子猫たちが見えました。1メートル近く降り積もった新雪の中で、子猫たちは道路の上にいたのです。』クライドさんは子猫達を掬い上げ、19キロ離れた自宅まで子猫たちを連れて帰りました。

すでに保護猫2匹と保護犬2匹と暮らしているクライドさんは、地元の動物救助グループDeer Lake Kitten Rescue (DLKR)に連絡を取りました。
DLKRはすぐに獣医師の診察とシェルターへの移動の調整に入りました。

DLKRを立ち上げ、そこでボランティア活動をしているターニャさんは早速到着した子猫たちのお世話を始めました。
翌日、診察を受けた子猫たちは生後10週、シバーと名付けられた長毛の一番小さなメスの子猫は体重が900gしかありませんでした。毛の短いオスのフルリーとメスのストーミーは1,350g。3匹は空腹と寒さのためにほとんど動くことができませんでした。冷え切った身体は体温が正常に戻るまで何時間もかかりました。

3匹ともお腹に寄生虫が見つかり、シバーは上気道感染症の症状がありました。必要な薬を処方されましたが、幸い、3匹とも食欲があり栄養価の高い食べものと温かいミルクを飲んでいるそうです。
3日目になると子猫たちはターニャさんの自宅の予備の部屋、別名デラックス・スィートに移され今までよりのずっとのびのびと過ごせるようになりました。
衰弱していたものの、健康面に大きな問題がなかった子猫たちは回復の兆しを見せ始めていました。
やや低体重だったシバーも10日後には体重を1.5倍まで増やすことができ、少しずつ元気に遊ぶようになりました。フルリーとストーミーは順調に回復し活発に遊べるようになっていました。
とても人懐こい3匹の様子からターニャさんは飼い猫だった可能性が高いと感じました。

ターニャさんは子猫達が見つかった日から、クラウドさんに救出された3匹に起こったことをSNSに投稿していました。投稿は大きな反響を呼び、国外のメディアにも取り上げられました。3匹は『コ―マックの子猫』として注目され引き取りを希望するメッセージが次々に寄せられたそうです。
ターニャさんは氷と雪の中に投げ捨てられた子猫たちの心身の健康を完全に取り戻すことが重要だと考え、十分な時間をかけて取り組むことを決めていました。
そしてシバーの上気道感染症が完治したら、3匹はNewfoundland West SPCAに移り、新しい家族を探すことになります。

クライドさんは『もし自分が見つけなければきっと子猫たちは助からなかったでしょう。元気を取り戻したら、すぐに出合いが待っていると思います。楽しみですね。』そう話していました。