ウェストパームビーチにあるトレーラーハウスの駐車場は、たくさんの野良猫がグループを形成して暮らしている場所です。
その日私は別の猫の薬を届けに訪れていました、

メインの通りを走っていたとき、道路右側、道端に座り込んでいる小さな猫を見つけました。
私の車が近付いても猫は逃げようともしませんでした。
気になった私は車を停めて様子を見ようと思いました。
食べものを持って車を降りると私は猫に向かって声をかけました。
猫はしっぽを立てて、でも頼りない足取りで私の方へ鳴きながら歩いてきました。

私は歩いてくる猫のお腹が膨らんでいるのを見てはじめは妊娠中だと思いました。
ところが私の傍に来た猫をよく見ると疥癬(ハダニを介して感染する皮膚病)を患っていて左耳の先が欠けていました。
耳の先がカットされているのはTNR活動で救助され避妊治療を受けたしるしです。
猫は子猫ですぐにでも治療が必要な状態でした。
私は子猫を自宅へ連れて帰ることにしました。

私は子猫にエンジェルと名前を付けました。
私を怖がらなかったエンジェルを飼い主が探しているかもしれません。
その可能性を考慮して、私は地元のシェルターの報告書に「迷子猫を発見した」と記入しました。

エンジェルは全身をノミとダニに覆われていました。
動物病院で治療を受けたときエンジェルの身体からは100匹を越える生きたハダニが見つかりました。
バスタオルの上でエンジェルの身体をはらうとボロボロとダニやノミが落ちて行きました。
さらに膨らんでいたお腹の中は寄生虫と虫でいっぱいでした。

私はエンジェルをお風呂に入れ、処方された薬とたっぷりの食べものを与えました。
エンジェルは体がきれいになりお腹いっぱいになりずいぶん気分がよくなりました。
彼女は私にお腹を見せてゴロゴロと喉を鳴らすようになりました。

治療を始めて2日後、エンジェルのお腹は最初に比べるとかなり小さくなってきました。
エンジェルは獣医師の治療を受けたときから抵抗することもなくとてもいい子でした。
私がお風呂に入れるときも、自分で毛繕いをするのさえ楽しんでいるようでした。

私はエンジェルにフワフワの毛布のベッドを用意しましたが、彼女はハンモックを気に入りました。
エンジェルは私の家での暮らしをとても気に入ったようです。

治療を始めて10日ほど経つと、疥癬の状態もかなり回復してきました。
治りかけた所に瘡蓋ができ、被毛がまばらになっていた部分にも毛が生えそろいつつありました。
エンジェルは駆虫剤を1回飲んだだけでお腹の寄生虫や虫がかなり減りました。
ありがたいことに血液検査の結果、FeLV(猫白血病)やFIV(猫免疫不全ウィルス感染症)に対しては陰性でした。
元気を取り戻していくエンジェルがおもちゃで遊ぶ姿を見ると私はとても幸せな気持ちになりました。

治療を始めて1か月後。
エンジェルは出会った頃と180度かわりました。
厳しい外の暮らしに健康を失っていた彼女は見違えるほど美しく変わりました。
新しい家族を見つける時に備えて、私はエンジェルを養育施設を運営しているヴェラ・ブラゾに託しました。
エンジェルはヴェラの施設で新しい家族との出会いを待つことになります。
エンジェルは絶えず愛情を求め、愛されることを望んでいます。

私が声をかけたときしっぽを立てて歩いてきたエンジェルは誰かの助けを待っていたのかもしれません。
私の呼びかけに勇気をもって歩き出した彼女は違う人生を歩み始めていました。

エンジェルにはきっと素敵な出会いが待っているでしょう。
人生の最初の数か月を厳しい外で過ごしたエンジェルは健康を取り戻して、愛情を注いでくれるあたたかい家族との出会いを楽しみにしています。