2002年、当時10歳だった私は両親の休暇でニュージーランドのワイルドウッドに滞在しました。
マンションを借りていたのですが、敷地の真ん中のトレーラーに古いさびた船が乗っていました。
ある日、私はその船に小さな子猫が住んでいるのを見つけました。

私が初めて子猫に気付いたのは子猫が背の高い草むらの中を飛び回っているのを見たときでした。
しばらく見ているうちに、子猫が草むらでバッタを捕まえて食べているのだとやっと気付きました。
私が近付いて行くと、子猫はあまり警戒した様子もありませんでした。
子猫は今の私の拳ほどの大きさでした。
私は子猫にチーズをあげました。

私が家の中に入ろうとすると子猫は追いかけてきました。
ベッドの横になってテレビを見ていたら、子猫は私の胸の上で丸まって眠ってしまいました。

私の両親が部屋に入って来ました。
私は子猫を起こしたくなかったので、両親に大きな声を出さないよう『しぃっ!』と合図して胸の上でぐっすり眠っている子猫を指差しました。
両親は私が子猫を連れて帰ると言い張ることを知っていました。
私は子猫にレスターと名前を付けました。

子猫を動物病院へ連れて行きました。
獣医師は子猫を猫白血病(FeLV)と診断しました。
FeLVに感染した子猫は3~4年ほどしか生きられないと言われています。

だけど、レスターは13年経った今も生き続けています。
1年また1年と積み上げられてきました。
レスターはチーズをあげたときから私の親友で、一緒に大人になりました。

レスターは気分屋で彼にはパーソナルエリアという概念がありません。
ときどき私を占領します。
私とレスターは大体こうやってきました。

ずっと見てきた父は自分よりも彼の方が長生きするだろうと冗談を言います。

こうしてこれからもレスターとのかけがえのない時間が積み上げられて行きます。