雪の積もるとても冷たい日でした。
夕方、勤務中だった私はステーションの中を歩いていたとき、ガラスの向こうで中を覗き込んでいる小さな猫を見つけました。
同僚たちがすぐに集まってきました。
猫は温かい場所を探していてステーションに辿り着いたようです。
私たちは猫をそのままにはできませんでした。

中に入った猫はホッとしたようでした。
小さな猫は汚れていてとてもお腹を空かせていましたが、安全で温かい場所に入れたことに感謝するように私たちに摺り寄ってきました。
人懐っこくて遊びが大好きな猫に私たちは全員心を奪われてしまいました。
私たちは猫をエンバーと呼び始めました。

私たちはエンバーに飼い主が居ないか確かめるためにその日のうちに消防署のSNSに投稿しました。
私は4匹の猫と暮らしているので、飼い主が現れるまでエンバーを家にあずかることにしました。

エンバーが現れた2日後、私は家に連れて帰る前に彼女を動物病院へ連れて行きました。
幸い血液検査の結果命に関わる感染症にはすべて陰性で、耳の先に少し凍傷が見られた以外健康上の問題は見つかりませんでした。
ダニの治療と駆虫剤の投与を受け、最初の予防接種を受けました。

数日が経ってもエンバーの飼い主を名乗り出る人は現れませんでした。
私たちはエンバーをステーションで飼いたいと思いました。
しかし、スタインバッハには専従の消防署が無いので私たち消防士は常駐をしていません。
ここには何日も誰もいないときさえあります。
私たちには小さなエンバーに常に愛情を注ぐ温かいまなざしが必要だと分かっていました。
エンバーに淋しい思いをさせるより、私たちが彼女のための最高の家族を見つけようと決めました。

猫の養育をしている友人がエンバーを預かってくれることになり、エンバーはそこでより人間との接触を経験し、しっかりとお世話を受けられるようになりました。
友人の家でお風呂に入れてもらったエンバーは初めて会ったときに比べるとずっといい匂いがしました。

数日後、避妊手術を受けたエンバーに私たちは消防署のSNSを通じて新しい家族を探し始めました。

『私は穏やかで愛情あふれる猫に優しい家を探しています。
私を家族に迎えることに興味があるならスタインバッハ消防署にメールをください。
なぜ私を家族に迎えたいのか、あなたと暮らすのがなぜ私であるのか理由を教えてください。』

ありがたいことにたくさんの応募者からメッセージを受け取った後、エンバーは小さな女の子が待っている最高の家を見つけました。
私たちのもとには家族に囲まれたエンバーの写真が届けられました。

エンバーがなぜ外で暮らしていたのかは誰にもわかりません。
ただ、エンバーは助けを求めるのに最も適切な場所を選びました。
私たちはエンバーのために最善を尽くすことができたと思います。