その猫は合衆国魚類野生生物局にはボブキャットとして報告されていた猫でした。
セント・フランシス協会アニマルレスキュー(SFSAR)に猫が姿を現したという通報があり、連絡を受けた私は伝えられた住所へ駆けつけました。
見つけた猫は一目見てボブキャットではないと分かりました。
たくさんの猫と出会ってきた私も一度も見たことが無い姿をしていました。

やせ細った猫は集合住宅の敷地の中で残り物を食べていました。
しかし、たくさんの人が集まり違う空気を感じた猫は、美味しそうな食べものにも近付こうとしませんでした。
私には猫のコンディションが悪くすぐに助けが必要なことが見て取れましたが、残念なことに猫は仕掛けたトラップからもどんどん遠ざかってしまいました。

翌日、私は再びトラップを仕掛けて猫を待ちました。
姿を現した猫はトラップの中のキャットフードが気になって仕方がありませんでした。
そして、PM4:30猫を無事に捕まえることができました。
間近で見た猫は思ったよりずっと悪い状態でした。
私たちは猫をウルフィーと呼び、SFSARは猫に里親さんを見つけてくれました。

動物病院で診察を受けたウルフィーは8~10歳のオスでした。
去勢手術は受けておらず、マイクロチップも見つかりませんでした。
全身がノミで覆われ、アレルギーをおこしていました。
あまりにもひどい状態だったので、獣医師はノミを駆除するために内服薬と外用薬の両方を使いました。
目には結膜炎、耳と呼吸器も感染症を患いゼイゼイと大きな音を立てていました。
歯は6本しか残っておらず食べるのも辛かったでしょう。
さらに、ウルフィーを苦しめているのはそれだけではありませんでした。

ウルフィーの爪は全く手入れがされておらず、巻き込んだ爪が肉球を傷つけて感染症を起こしていました。
足に痛みを抱えていたウルフィーは体を冷やさないようにしゃがんであまり動かなかったようです。
そのため足の裏に潰瘍ができて出血していました。
ウルフィーを見つけたとき、出血に気付いていた私は彼が交通事故に遭ったのかと心配していたほどでした。

もしウルフィーがずっと野生で生きていたら、彼を苦しめていた爪の状態は考えられません。
屋内で暮らしていたとすれば長い期間放置されていたに違いありません。
ウルフィーが逃げ出したのか捨てられたのかは分かりませんが、彼に何があったのか知りたいと思う一方でそれは私たちを大いに怒らせるでしょう。
健康に多くの問題を抱えていたウルフィーですが幸いそれ以上のケガは見つからず、血液検査の結果、命に関わる重い感染症にはすべて陰性でした。

ウルフィーのお世話を引き受けてくれたのはSFSARの養育ボランティア、タバサ・ノートンさんでした。
タバサさんがウルフィーを迎えに来たとき、彼女に頭を掻かれたウルフィーは嬉しそうに鳴いて応えていました。
これでウルフィーは温かいベッドでゆっくりと眠ることができます。

その後もタバサさんは私たちにウルフィーの近況と新しい映像を届けてくれています。
ウルフィーはよく食べ、獣医師に処方された薬のおかげで日に日に回復へと向かい体重を増やしています。
1月の末、2度目の診察で腫れの残っていたウルフィーの目は眼瞼内反症の診断を受けました。
しかし獣医師は一時的な症状だと言っています。

タバサさんに薬を飲ませてもらったり目の手当てをしてもらうウルフィーは、彼女にもたれかかって喉を鳴らすこともあるようです。

ウルフィーのオオカミに似た外見については、ライコイの遺伝によるものかもしれないと私たちは考えています。

辛い人生を過ごしてきたウルフィーを健康に戻し、彼の人生の後半は彼を愛する人々に囲まれたものにしたい・・・私たちはそう思っています。
タバサさんに見守られたウルフィーは新しい人生への歩みを始めています。