父はすぐにほかの警官に連絡を取って子猫が交通を怖がらないように周囲の車を減速させました。
父は車から降り、我が家の猫にするのと同じように優しい声で子猫に声をかけながらゆっくりと近づいて行きました。

子猫の尻尾がピンと上がり、父には子猫がずっと助けが来るのを待っていたことが分かったそうです。
無事に子猫を抱くと、パトカーに乗せて助手席にそっと置きました。
さかんに鳴いていた子猫はパトカーに乗ったとたん父の膝に上ってきてゴロゴロと喉を鳴らし始めました。

子猫救出の一部始終を撮影していたビデオでも子猫の尻尾が焦げていたのが分かりました。
きっと暖かさを求めて車のエンジンルームに入り込んでいたのでしょう。
幸いラッシュアワーで車が止まったときに外に逃げ出していたとしか考えられません。
通報から警察が子猫を探している間、少なくとも数時間子猫はその場所で動けなかったようです。

パトカーの中で子猫は父に摺り寄ったり、ハンドルに顔を擦りつけたりとても機嫌がよかったようです。
父はすぐに子猫に心を奪われて家族に迎えようと決めました。
地元の動物保護施設を訪れて子猫に飼い主が居ないかを確認しました。
子猫は生後3か月のメスで、避妊手術と予防接種を済ませ私たちの家族に加わりました。
子猫の名前はベラに決まりました。

地元の人々はベラが発見される数か月前から、中央分離帯に手袋のオモチャがあるのを見かけていたそうです。
それで子猫がいるという通報をしたとき、彼らは警察が子猫を見つけやすいように「手袋の近くにいる」と説明していました。
どうやらベラは寒さを凌ぐために手袋のオモチャの陰にいたようです。
父は翌日ベラを救った場所へ行き、救助の記念に手袋のオモチャを回収してきました。

私たちは2匹の保護犬ゾーイとチャーリー、保護猫のジャスパーと暮らしてきました。
実は数か月前、ジャスパーの兄モカが亡くなりました。
ジャスパーは一緒にバードウォッチングをする仲間が居なくてとても淋しい思いをしていたところでした。
ベラは窓際にいるジャスパーのところへ行くと、早速ジャスパーと並んで外を見ていました。
ベラは私たち家族に幸せをもたらしてくれました。

ベラは周囲を幸せにする猫でした。
ベラはとても大きな声で鳴き、家族の注目を集めました。。
はじめは犬達を怖がって距離を置いていましたが、最近ではときどきチャーリーと抱き合って昼寝をするようになりました。
ベラにその気があれば・・・もっとうまくやっていけるようになるでしょう。

ベラはとても冒険好きで決して同じ場所にとどまることはありません。
どこかに隠れるのも大好きです。
隠れるための新しい場所を発見することを楽しんでいるようです。

父がベラを救ってちょうど1か月が経ちました。
私たちは父がベラを救ってくれたことと同じくらい、私たちの家族としてベラがいることに感謝しています。

仕事から帰った我が家のヒーローは、一瞬で彼の心を奪ったベラに毎晩膝を温めてもらうのを楽しみにしています。