ジャックは元の飼い主が引っ越したときに置き去りにされていました。
差し押さえになった家で不動産業者に見つけられたジャックは地元のシェルターに連れて行かれました。
しかしシェルターは犬や猫でいっぱいでした。
その後出会いに恵まれなかったジャックは安楽死のリストにあげられてしまいました。

シェルターのケージの中にいるジャックを見たとき、私はとても気の毒に思いました。
ケージを開けてジャックと床に座ると彼は私に膝の上に上って丸くなりました。
なんて素敵な猫だろう・・・そう思いました。
私はジャックをミシガン・キャット・レスキューに連れて帰り、ボランティアスタッフと協力してジャックを可愛がってくれる新しい家族を探しました。

私たちはジャックを「膝に座る猫」としてアピールしました。
すると間もなく、ひとりの女性がやって来てジャックを引き取っていきました。

ところが約1年後、ジャックを連れた女性が再び施設を訪れてこう言ったのです。
「ジャックはいつも膝の上に座ろうとするの。私はジャックを返しに来たの。私が望んだのはこんな猫ではなかったわ。」
施設の全員が驚きました。
1年前、女性は間違いなく「膝に座る猫」を家族に迎えたいと言って手続きをしていきました。
彼女はジャックを飼うことに飽きてしまったのです。

施設に帰って来たジャックは明らかに動揺していました。
ジャックは数日の間食事を口にしませんでした。
ジャックは彼女に拒絶されたことに当惑し深く傷ついていました。
それは強いストレスとなり、ジャックの免疫システムにダメージを与えていました。
ジャックは上気道にひどい風邪の症状が現れ、目は感染症を起こして腫れあがってしまったのです。

私たちは傷ついたジャックの健康を取り戻し、今度こそ彼のためにふさわしい家族を見つけようと探し始めました。
ジャックにはありのままの彼を受け止め居場所であるあたたかい膝が必要でした。

私たちがジャックに起こったことを施設のSNSに投稿すると、ありがたいことにジャックを引き取りたいという応募が数百件に上りました。
しかし残念ながらジャックにふさわしいと思える家族はなかなか見当たりませんでした。

しばらくしてリズ・ミジウクという女性とその夫が引き取り手に応募しました。
私は彼らに好感を持ち、ジャックと直接会ってもらうために動物病院に場所を設けることにしました。

用意した部屋で私がジャックをキャリーケースから出すと、彼は少し部屋の中を歩き回り、夫妻がジャックを抱き上げ膝の上に乗せました。
ジャックは落ち着いて彼らの膝の上に座ったままでした。
夫妻は一目でジャックに心を奪われ、涙を浮かべてとても幸せそうでした。
そこで私はジャックと夫妻だけにして部屋を出ました。
しばらくすると彼らは部屋を出て来て、夫妻はジャックを連れて帰る手続きをしました。

私は涙をこらえることができませんでした。
ジャックがとても穏やかな表情をしているのを見て私はとても幸せでした。
これで本当にジャックの家族を見つけることができたと思いました。

ジャックは新しい家でジュゼッペという新しい名前をもらい、すぐに家族との暮らしに馴染んでいきました。

身勝手な飼い主の心無い仕打ちを2度も経験したジュゼッペが施設に帰ってきたとき、私は傷ついた彼のことを想うと胸が張り裂けそうでした。
でも、私たちの投稿を見た人の中に『おかえりなさい、ジャックはふさわしい家族に出会うために帰ってきた』とコメントを寄せた人がいました。
確かに。
ジュゼッペは家族と一緒に新年を迎えることができました。
私たちの仕事はただ命を救うことだけではなく、家族を必要とする動物たちが幸せな人生を送れるようにすること、そのために日々奮闘しています。