私はその日、男性ボランティアの一人に同行して野良猫に食事を与えて回っていました。
彼は毎日天候がどうであれ、地元にある野良猫のコロニーで食事を与えています。
彼は広範囲を受け持っていて、素早く行動し食事を待っている野良猫たちに手際よく食事を置いてまわります。
彼のようなボランティアのおかげで棲家に戻った猫たちは世話を受けることができるし、新しい猫が現れるたびに彼らは連絡をくれます。
人懐っこい野良猫を見つけたら新しい家族を探す手助けができます。
野良猫たちを見守る地域住民の目は救助活動において大切な役割を担っているのです。

コースの途中で最近姿を見せるようになった野良猫が彼の目の前に走ってきました。
きっと彼のことを待ち構えていたのでしょう。
しっぽを立てて、鳴き声を上げながら彼の手に頭をぶつけてきました。
彼に向かって盛んにおしゃべりをするとても人懐っこい猫です。
私には野良猫の被毛が汚れているのが分かりました。

捨てられた猫や野良猫はストレスが強いと毛繕いの頻度が少なくなる傾向があります。
その野良猫もおそらく捨てられ、そのストレスから汚れてしまっているようでした。
首輪はなく、とてもお腹を空かせていました。

近所の人の話によると、野良猫は数週間前から姿を現し、寒さをものともせずに食べものと寒さを凌げる場所を探し回っていると言います。
ニューヨークの気温はすでに氷点下。
私はその野良猫を再び家の暮らしに戻したいと思いました。

私はキャリーケースをトラップ代わりに使い、野良猫を捕まえることにしました。
野良猫はまるで安全で温かい場所へ連れて行かれるのを待っていたかのように簡単にキャリーケースに入っていきました。

猫は警戒心が強く怖がりなので、あなたの猫もキャリーケースに入りたがらないかも知れません。
トラップを使うことに疑問を持つ人も少なくはありません。
しかし私は、たとえフレンドリーな猫であっても救出や移動させるためにトラップを使う方が猫にとって安全だと思っています。

自宅に連れて帰った野良猫に私たちはバンと名前を付けました。
はじめは少し人見知りをしていたバンでしたが、すぐにそばにあったおもちゃで遊び始めました。
すっかりリラックスしたバンはおもちゃを抱いて床をゴロゴロと転がり、ふかふかの毛布を抱いてフミフミをしていました。

私たちの目標は近所に暮らす猫に避妊手術を確実に実施することで、過密状態になっている市のシェルターにさらに猫が増えないようにすることです。
私たちは地元のボランティアと協力して管理する野良猫たちを飢えさせないようにします。

バンは里親ボランティアの家で暮らし始めました。
これから予防接種や駆虫など必要な治療を受けて新しい家族を探す準備を進めていきます。
バンは今、里親さんの膝の上で寒さと飢えのない暮らしに満足しているようです。

また1匹、ボランティアの見守りのおかげで戻りたかった家の暮らしに帰るチャンスを掴みました。