グランパ・ジョー(ジョーおじいちゃん)は私を近付けようとはせず、その頃はとテオフレンドリーな猫とは言えませんでした。
私はグランパ・ジョーに避妊手術を受けてもらうためにトラップを仕掛けました。

グランパ・ジョーがトラップに入ったとき、大きな声で鳴き続けていました。
通常妊娠中の母猫以外の野生の猫はトラップの中でとてもおとなしくしているものです。
グランパ・ジョーのように大きな声で騒ぐのは人間に接触したことがあり、人間に友好的であることを示します。
彼はもともと飼い猫だったかもしれないと思いました。

グランパ・ジョーを地元の動物虐待防止協会の病院へ連れて行きました。
意外なことにグランパ・ジョーはまだ4歳だということが分かりました。
診察を受ける彼は紳士的でとてもフレンドリーな猫でした。
恐らく元は飼い猫だったジョーは、自分で身づくろいをすることに慣れておらず、手入れの行き届かないモジャモジャの毛が実際よりも年を取って見えていたのです。
私は避妊手術を受けたジョーに確かめたいことがありました。

トラップでグランパ・ジョーをコロニーに連れて行きました。
棲家へ戻る野良猫たちはトラップの扉が開くと吸い込まれるように棲家へと消えていきます。
トラップから出たグランパ・ジョーは私の傍から離れようとしませんでした。
私が声をかけるとグランパ・ジョーは棲家に背を向けて私のところまでまっすぐに戻ってきました。
ジョーが外で暮らし始めたのは彼の意志ではないと分かっていました。
私はグランパ・ジョーが外の暮らしとどちらを望んでいるのかを知りたかったのです。
私はグランパ・ジョーを連れて自宅へと向かいました。

自宅に着いたグランパ・ジョーは安全な家の中にいることをとても喜んでいるようでした。
グランパ・ジョーは自宅の浴室で丸くなり喉をゴロゴロと鳴らしていつまでも止まりませんでした。
そして私の膝の上でフミフミをするために上ってきました。
グランパ・ジョーは外の暮らしに別れを告げました。

動物病院の血液検査の結果、幸いにもFIV(猫免疫不全ウィルス感染症)にもFeLV(猫白血病ウィルス感染症)にも陰性でした。
健康上の大きな問題は無く食欲も旺盛です。
今は少し痩せていますが、普通の食事を続けていればもう少したくましくなれるかもしれません。
甘えん坊の一面を持つグランパ・ジョーは誰かのひざの上でフミフミすることだけを望むでしょう。

新しい家族を見つける準備が整ったグランパ・ジョーは、里親ボランティアの家で過ごすようになりました。
はじめは少し緊張していましたが、今ではすっかり里親さんの家の主のように過ごしています。
相変わらず里親さんの膝の上が空いているのをみつけるとフミフミをするために膝の上に飛び上がっています。

SNSを通じてグランパ・ジョーのストーリーを見たたくさんの人たちが彼の未来のために温かい励ましや寄付を寄せてくれました。
一度は傷つき外で暮らしていたグランパ・ジョーは人と寄り添う道を選びました。
きっと彼には今度こそふさわしい家族が見つかるでしょう。
グランパ・ジョーを家族迎えることに興味のある人が現れ始めています。
新しい年はグランパ・ジョーにとって新しい暮らしを始める年になりそうです。