数か月前、1匹の野良猫が私たちの庭に姿を現すようになりました。
近所に住む野良猫の中でも顔を利かせていた彼は隣人たちに顔の知られた乱暴な猫の1匹でした。

野良猫は昼夜を問わずメスの猫を追いかけ、他のオス猫とあちこちでケンカを繰り返していました。
しかし私には暴れん坊の野良猫が自由にというより息苦しそうに生きているように見えました。

外の暮らしは決して楽ではありません。
恐らく、私たちの近所で暮らす野良猫はみんなビッグヘッドと同じように息苦しさを感じて生きているでしょう。
私は庭の猫たちを守るためにも野良猫に去勢手術を受けてもらおうと捕まえることにしました。
手術を受けた野良猫は想像以上に変わりました。

野良猫は私たち人間を受け入れ友好的な猫になりました。
その後野良猫は私たちの庭の6番目の猫としてここで暮らすようになりました。
かつて彼の攻撃を受けていた庭の猫たちは乱暴をはたらかなくなった彼を受け入れました。
彼らもビッグヘッドと同じようにかつては野良猫でしたから。

ビッグヘッドは名前を呼ぶと駆け寄ってくるようになりました。
勿論撫でることもできます。
必要な時は簡単に薬を飲ませることもできるようになりました。(ちなみにこれは撮影用のただの水です。)
ビッグヘッドは庭の猫たちと同様に私たちに信頼を置いてくれるようになったのです。

ビッグヘッドは庭で遊ぶのが大好きです。
特に彼のお気に入りは背の高い草の陰に隠れることのようです。
と言っても、頭隠して尻隠さず・・・体が大きすぎて完全に隠れることはできません。
だけどビッグヘッドは周囲に気付かれずに隠れていると信じているようです。

私はこの庭でのびのびと暮らすビッグヘッドを見るたびに、彼が厳しい暮らしから引退できたことを嬉しく思います。
息苦しそうに生きている・・・そう見えたのは間違いありませんでした。
彼は今一番いい時期を過ごしていると思いたいです。

私の庭は1年半の間に7匹の猫が暮らすようになりました。
最初に現れたのは3匹の子猫の兄妹たちでした。
子猫達は2m以内に私を近づけず、無理に近づくとクモの子を散らすように逃げていました。
彼らのためにキャットハウスを置いて以来、居場所を求める野良猫たちがここに辿り着き、住みつく猫を先に住んでいた猫が受け入れてきました。

ときどき小さなケンカやもめ事が起こらないわけではありません。
でも、猫たちにはそれぞれが心地よく暮らすための彼らなりの秩序が存在します。
ビッグヘッドの顔にはかつての暮らしを物語る傷が残されています。
彼は生きるために争うことを止め、仲間と分かち合って生きることを選びました。
ビッグヘッドがこの庭を気に入ってよかったと思います。