動物病院へ向かったボランティアはその日の予定をすべてキャンセルし、急いで子猫を迎えに行きました。
動物病院では勤務時間を越えてボランティアの到着を待っていてくれました。
施設に運ばれた子猫はオスで、体重が平均の半分にも満たない470gしかなく見るからに衰弱していることが分かりました。
子猫が生き延びることができるのか誰にもわかりませんでしたが、スタッフ達はできるだけのことをしようと懸命の看護を始めました。

スタッフは子猫の詰まった鼻をきれいにして、抗生物質と流体を与えました。
自分で食べることができない子猫に注射器で栄養価の高い食べものを与えると、温熱パッドの上に毛布でくるんだ子猫を寝かせ温めました。
肺炎を起こしていた子猫は立ち上がることもできず、目を開けるのさえ辛そうでした。
子猫は女性が救いの手を差し伸べなければ、その日の夜さえ超すことができなかったでしょう。

私たちは子猫にカートと名前を付けました。
カートは最初の24時間に何度もきわどい状態に陥りました
筋肉の殆どを失っていたカートは体温を保持することが難しく、一時は回復しかけた肺炎が再びカートを苦しめました。
それでも、3時間おきの食事とスタッフの懸命の看護の結果、ゆっくりと少しずつ回復に転じて行きました。
そして、3日後には自分でお皿から食べることができるようになりました。
食欲を取り戻したカートは、少しずつ体重を増やし始めていました。

一方、施設にはカートの母猫に関する情報と彼が保護された場所で2匹の子猫が確認されたという知らせが届いていました。
私たちは彼らがカートの家族であると考え、すぐにふたりのボランティアが探しに向かいました。
しかし、哀しいことにカートの兄妹の子猫の1匹が芝生の上で亡骸になって発見されました。

寒さと飢えは確実に子猫たちの体力を奪っていました。
どうか間に合ってほしい・・・ボランティアは必死に探し歩き、ようやく数日後に民家の屋根の上に母猫ともう1匹の子猫を見つけました。
ボランティアは家主の協力を得て母猫と子猫を無事に保護することができました。

カートは施設の養育ボランティアの自宅に移されていました。
約1か月離ればなれになっていたカートと家族は養育ボランティアの家で再会を果たすことができました。
野性が強く残る母猫はその後場所を移してお世話をすることになりました。
カートはキャットと名付けられた妹と抱き合って過ごすようになりました。

キャットはまだ人間の暮らしに馴染み切っていません。
人間に信頼を置くには少し時間が必要です。
しかし、甘く人懐っこいカートはキャットのお世話をするのが大好きで、つきっきりで抱きしめ妹の身繕いをしています。
きっとカートは可愛い妹に人間との暮らしが決して悪くはないと教えてくれるでしょう。

幸運にも女性に救われたカートでしたが、愛する家族と離れ離れになってしまい保護されたときは生きる希望を失っていたのかもしれません。
回復に向かうカートのもとへキャットが現れたことでカートは一気に輝き始めました。
キャットを抱きしめ、身繕いをするカートは生き生きとしています。
私たちは2匹が離れるべきではないと感じ、一緒に引き取ってくれる家族を見つけたいと考えています。