猫は私の庭に食べ物を探してきていたようでした。
近所の人に猫のことをたずねると、4年前に引っ越して行った元の飼い主に道に置き去りにされてしまったのだそうです。
それ以来、ときどき近所の人に食べものをもらいながらずっと外で暮らしているのだそうです。

私は野良猫に食べものをあげるようになりました。
すると猫は毎日私の庭へ姿を見せるようになりました。

私はポーチに食べものを置いていましたが、最初のうちは私が家の中に入るまで決して食べようとしませんでした。
私が家に入るとポーチへ忍び寄り、急いで食べ終わると走ってどこかへ消えていきました。
私は猫に近付けないまま1年が過ぎてしまいました。

その後も猫は私の庭に毎日現れ、私が外に出ない限りだんだん長くいるようになりました。
私は庭にラバーメイドのコンテナと毛布で猫のための家を作りました。
しばらくすると、猫はその家が寒さを凌げる場所だと気付きそこで過ごすようになりました。
猫はちょっとずつ私に信頼を置いてくれるようになり、日中は私が作った家の周囲で過ごすことが多くなりました。

時間が経つにつれて猫は食べものをあげる時間になると猫の方からポーチへやってくるようになりました。
私が声をかけると、猫は私の声を覚えたようで返事をするようになりました。

そして、猫に家を作って1年が経とうとしたとき私が待ち望んだ瞬間が突然やって来たのです。

ある日の朝、目覚めたばかりの私は玄関に猫がいるのを見てびっくりしました。
私は驚かさないようにゆっくりと猫に近付き、身をかがめて頭と耳をそっと撫でました。
猫は床で寝返りを打つとお腹を見せ、私は猫のお腹を擦りました。

私は猫をバディと呼ぶようになり、私が抱くことを許してくれるようになったとき動物病院へ連れて行きました。
バディはFIV(猫免疫不全ウィルス感染症)に陽性反応を示し治療を始めました。

その後バディは私の家の中に入ってくるようになり、寒い夜や嵐の夜は家の中で眠るようになりました。
そして次第に室内での暮らしに慣れていきました。

バディが家の暮らしに慣れて来た頃、私が最初にバディと遊んだのは羽のおもちゃでした。
バディは狂ったようにジャンプして羽を追ってあちこちを転がりまわって捕まえました。

バディが家の中で特に気に入ったのは窓際のパーチで裏庭に来る鳥やリスを見ていることでした。
そして、私の家で王様のように暮らすバディはちょっとした贅沢を覚えました。
彼は缶詰のスープが大好きで肝心のお肉は舐める程度しか口にしないのです。

バディとの出会いからあっという間に6年もの時間が過ぎていきました。
置き去りにされたバディは傷つき、ずっと人間を恐れていました。
初めてバディと抱き合ったとき、バディは私の中に溶けていき嬉しそうに喉を鳴らしてくれました。
バディは私の心を喜びで満たしてくれます。
バディがもう一度信頼を置く人に私を選んでくれたことを何よりも感謝しています。