叔父は家の周りに姿を見せていた猫が明らかに室内で飼われていた猫だと思ったそうです。
しばらくして、叔父はその猫が亡くなった元の家主の飼い猫だと確信し寒さから守るために家に迎え入れたのだと話してくれました。

私たちと暮らし始めたオリーブはとてもきゃしゃな身体をしていたのですが、次第にお腹だけが大きくなり妊娠していることが分かりました。
数週間後の3月9日、オリーブは6匹の子猫を出産しました。
しかし生まれた子猫達はとても痩せていて、6匹のうちの4匹は何らかの奇形を抱えて生まれていました。

出産直後のオリーブは衰弱し、子猫達に十分なミルクを与えることができませんでした。
私たちはオリーブと子猫たちにできる限りのことをしようと思い、動物病院へ連れて行きました。
診察した獣医師は明確な病気や障害については口にせず、栄養失調のオリーブのお腹の中で十分な発育ができなかったための奇形だと説明しました。
私たちは懸命の看護を始めましたが、その後数週間の間にオリーブと3匹の子猫が次々に亡くなってしまいました。
深い哀しみの中、私たちは生き残った3匹の子猫達に最善を尽くそうと看護を続けました。

私たちはメスの子猫2匹にフレアとシャルロット、最も小さく生まれ、ねじれた後ろ足を持って生まれたオスの子猫にチューロと名前を付けました。
私は特にチューロのことが一番気がかりでした。
はじめは特別に気を付けていたのですが、すぐにチューロに痛みが無いことを確信することができ少し安心しました。
成長と共に普通の子猫のように動き回るチューロに私たち家族は驚かされ元気づけられていったのです。

チューロは確かに後ろ足を動かすことはできません。
しかし、私たちが想像していたほど助けを必要としませんでした。
移動したり走ったり、トイレを使うことも何でも自分でできるようになっていったのです。
そして成長するにしたがい2本の前脚でソファによじ登り、いつでも好きなときに飛び降りることができるようになりました。
チューロは同じ年齢の子猫ができることの殆どを自分でできるようになり、健康で人一倍元気に毎日を楽しむことができました。

私はチューロを見ていると後ろ足のハンデがあることで彼がよりたくましく成長しているように感じていました。
チューロは私たちが彼を過剰に助けることを望んでいないのと同時に、一緒に暮らしている犬や自分の姉妹からの助けを受け入れます。

犬のアーティーをチューロに紹介したとき、2匹は鼻をくっつけあって匂いを確かめ合い、お互いを理解したようでした。
アーティーはチューロが少し違った動きをすることを理解し、以来2匹は親友同士になりました。
私たちは2匹の友情を見ているだけで心が温められました。

チューロは小さな子猫の時から喉を鳴らす音がとても大きく、まるで音を鳴らす機械のようでした。
鳴き声もとても大きく、注目を集めたい時は独特の少ししゃがれた声で顔中を口にして鳴きました。
チューロは音の出るものが大好きで、猫が好きなビニール袋をパチパチと鳴らす遊びがずっとお気に入りでした。
最近の彼のブームは、ドーム型の猫のベッドに潜んでいて近付いたシャルロットをびっくりさせるのを楽しんでいます。
普段ちょっと意地悪だったりお転婆なシャルロットに仕返しをしているつもりなのかもしれません。

そんなチューロたちは本当に仲のいい兄妹です。
小さな子猫の時から、シャルロットとフレアはいつもチューロを抱きしめていました。
次々に家族を失った3匹は、特に体の小さかったチューロを2匹の姉妹が守るように寄り添って大きくなってきました。
その絆は今も変わらず、シャルロットとチューロは一緒にお昼寝をしています。

少し前、フレアは彼女を迎えたいという家族が現れ旅立って行きました。
私たちのところにはシャルロットとチューロの2匹だけになりましたが、フレアの家族との交流は続き今でもフレアの様子を知ることができます。

オリーブを迎えたときの私たちは、その後に起こったことを想像すらできませんでした。
それまでの私たちは特別なケアを必要とする猫のお世話を経験したことはなく、自分たちにできる最善を尽くそう、ただその気持ちだけで頑張っていました。
最も心配で不安だったチューロは、私たちに前向きに生きることの素晴らしさと信じられないほどの優しさを教えてくれました。
しなやかにたくましく成長するチューロに、そして、彼に限りない愛情を向ける彼の姉妹とアーティーに私たちは感謝しています。