BARCSアニマルシェルター(メリーランド州ボルチモア)の医療チームはレディーが貧血のためにほとんど完全に失明しているだけでなく、腎不全の初期段階にあり、加齢のため後ろ足に関節炎を起こしふらつきがあることを発見しました。
彼女は問題行動をするのではなく、健康上の問題からトイレに間に合わないことがあるだけだったのです。

高齢のペットを飼った経験のある人なら、彼らの人生の最後の数年間は健康上の問題や加齢による運動の低下は自然なことであり、ペットが最も愛されるときでなければならないと知っています。
なぜ元の家族はレディーの変化を問題行動だと信じる前に原因を調べようとしなかったのでしょう。

シェルターへ来た頃のレディーは、どうして自分がここに居るのか理解できずに怖がり混乱していました。
しかしレディーは辛い経験をしたにも拘らず信じられないほど愛情深い猫でした。
初対面の人に会うと大きな声で鳴き、注目と愛情を求めて体を摺り寄せました。
レディーに出会った人はみんな彼女に心を奪われ、レディーは人間の傍にいることが大好きでした。
シェルターで働く人は、レディーに新しい家族が見つかることを心から願っていたのです。

シェルターのSNSでレディーに関する投稿を見つけた妻のレベッカは涙を抑えることができず、考える前にシェルターに連絡を取りました。
職場の動物病院でランチの休憩をとっているときでした。
獣医看護師であるレベッカがBARCSから猫を引き取るのは初めてのことではありませんでした。
ただレディーは、レベッカにとってどうしても迎えに行かずにはいられない猫だったのです。

私とレベッカは3匹の犬と暮らし、今年の1月、BARCSからミニーという20歳の猫を家族に迎えました。
レベッカとミニーはすぐに結び付き、お互いがかけがえのない存在になりました。
しかし4か月前、ミニーが虹の橋を渡り親友を失ったレベッカはひどく落ち込んでいたのです。
レディーに関する投稿を読んだレベッカは、同じBARCSで暮らし20歳で腎不全を抱えているという類似点にミニーを重ね涙を抑えることができませんでした。
レベッカは私にシェルターへ車を出してほしいと言いました。

翌朝、BARCSへレディーを迎えに行きました。
レベッカはレディーに会ったとたん、レベッカはレディーに心を奪われてしまいました。
レベッカがケージの中に手を差し出すと、レディーは匂いを嗅ぎそのまま顔を擦りつけてきたのです。

私たちは手続きを済ませると、レディーを連れて自宅へ向かいました。

しばらくの間、ベッドの下にいたレディーは隠れていたところから姿を現すとレベッカの傍に落ち着きました。
レベッカかレディーを撫ではじめると彼女は立ち上がり、レベッカの周りをグルグルと回り始めました。
そして突然、床に腰を下ろしていたレベッカの膝によじ登り、彼女の手に頭を乗せて横たわったのです。
10分ほどでしょうか、レディーはレベッカの膝の上にじっとしていました。
私にはレベッカとレディーの魂が急速に接近するように見えました。

レディーは食事をする間、傍にレベッカがいるととても安心するようです。
レディーはレベッカに見守られていないと淋しく感じるのです。
レベッカはそんなレディーを受け止め、彼女の膝はいつもレディーに温められています。
そして獣医看護師であるレベッカは、勤務先の動物病院でレディーの治療を始めました。
レディーに腎臓病に対応する療養食を与え、数週間後に血液検査をすると話しています。
さらに後ろ足の関節炎にはサプリメントを与え、歯の治療を始めたようです。

レディーは信じていた家族の裏切りに会い深く傷ついたことでしょう。
しかし、レディーの混乱の後には彼女にふさわしい最高のママ、レベッカとの出会いが待っていました。

ミニーを見送った私たちは知っています。
どんなペットでも、最後の日々こそあたたかい家族の傍で穏やかに過ごすべきです。
レディーに残された時間がどれだけあるのかは分かりませんが、レディーと出会ったレベッカは再び豊かな時間を共有できることをとても喜んでいます。
そして、レディーとの出会いはきっとミニーからの贈り物なのだと信じています。