私は子猫にライオンのように強く大きくなってほしいと願いを込めてライオネルと名前を付けました。
ライオネルは免疫力が弱く、数日後には食欲を無くし体重が減り始めてしまいました。
私はライオネルを温め、チューブで栄養価の高いミルクを与えながらミルクの間に砂糖水を与えました。
私は長く辛い夜を過ごし、それでも私が傍にいる限りあなたを死なせることは決してないとライオネルに語りかけました。

たくさんの子猫達を育ててきた私は、ライオネルのように生後間もなくひとりぼっちになってしまった子猫が突然容体を急変させるのを幾度も見てきました。
特に猫の繁殖期の終わりに生まれた子猫は、その母猫がその年2~3回目の妊娠のためにミルクや抗体が枯渇していることも珍しくありません。
母猫に捨てられた子猫は母猫に抗体をもらえなかった可能性もあります。
それは子猫が生き延びる可能性をとても小さくしてしまうのです。
そして、保護されるまでの間子猫は母猫の温もりもありません。
ライオネルと兄弟は発見されたとき冷たい雨に濡れていたのです。

私は今後のライオネルの回復を少しでも安定させるために、一緒に育てる子猫を探すことにしました。
ひとりぼっちの子猫を同じくらいの子猫と一緒に育てるとうまくいくことも経験で知っていたからでした。
私は養育ボランティアのネットワークを使って、ライオネルの月齢に近いお世話の必要な子猫が居ないか呼びかけました。
すると1週間後、ホイットリー郡のシェルターから母猫に置き去りにされた兄妹がいると連絡が入りました。

生後約2週の5匹の兄妹のうち、別の養育ボランティアが3匹、私はジャクソンとマギーの2匹を引き取ることができました。
キジトラのジャクソンは体重が約208gで、私が見た中で一番短い尻尾を持ったとても甘い子猫でした。
グレーのマギーは体重が213g、驚くほど大きな声で鳴く元気な子でした。

ジャクソンやマギーが到着した数日後、少しずつ回復に向かっていたライオネルは体重が187gでした。
ジャクソンとマギーに小さなライオネルを紹介すると、2匹の子猫達はライオネルを囲むように寄り添い始めました。
しばらくすると、ジャクソンとマギーはライオネルと一緒にベッドでひとつの塊になってお昼寝を始めました。

最初に探検を始めたのはマギーでした。
一足先に歩くことを覚えたマギーは1匹でキッチンへ足を延ばし探検を楽しみました。
すると、後を追いかけるようにジャクソンとライオネルがゆっくりと歩き始め、キッチンの突き当りを目指してキャラバンが始まりました。
ジャクソンの後を懸命に追うライオネルは、日に日にエネルギーを蓄えています。

3匹は常に寄り添いあい、お昼寝をするときのライオネルはジャクソンやマギーに腕を回すのが大好きです。
マギーはライオネルを枕にして眠る快適さに気付いてしまいました。
ジャクソンは甘く優しい性格がそのまなざしによく表れています。
3匹ともチャンピオンのようにミルクを飲み、活発に動き回って探検を楽しんでは抱き合って眠ります。
ライオネルは2匹のことが大好きで、3匹は決して離れようとはしません。

ジャクソンとマギー達5匹の兄妹も、繁殖期の終わりに生まれ姿を消した母猫は戻ることはありませんでした。
発見されたとき、その地域は雪混じりの雨が降っていたそうです。
私は今も室温が20℃を超えていても、3匹を冷やさないように気を付けています。

同じ境遇の大好きな「兄妹」を得たライオネルは、食欲もあり順調に体重を増やしていて何よりも楽しそうです。
マギーとジャクソンは決して人間にはまねのできない自然の力でライオネルと私に大きな希望を与えてくれました。
これからもっと活発になる3匹はどんな成長を見せてくれるでしょう。
私は楽しみでなりません。