隣人の話では、自宅のガレージの扉が壊れて閉まらなくなり数日の間開いた状態だったそうです。
数日後、扉を修理してガレージを閉めたとき1匹の野良猫がガレージの外で心配そうにのぞき込んでいるのを見かけました。
そのとき隣人は扉の開いたガレージの中で何が起こっていたのか全く知りませんでした。

数日後、隣人がガレージの中に入ったとき中を走り回っている数匹の子猫を初めて見つけたのだそうです。
心配そうに見ていた野良猫は、開いたままになっていたガレージでひそかに子猫を出産していたのです。
母猫は扉が閉じられてしまった数日の間、中の子猫にミルクをあげることができずどうすることもできなかったのです。

子猫は可能であれば生後8週以上まで母猫と一緒に過すのが理想です。
私は隣人に、もし捕まえることができたら母猫も一緒に連れて行ってもかまわないかと尋ね了解をとりました。
11月のはじめ、私は隣人のガレージにキャリーケースを持って行きました。

ガレージに入ると、母猫が私の方へ近付いて来ました。
母猫は驚くほどフレンドリーで何の抵抗もなく、キャリーケースに入っていきました。
人間に慣れている母猫は恐らく以前は飼い猫だったと思われました。
子猫達から見えるように私は母猫の入ったキャリーケースをガレージの中央に置きました。
すると、スチール製の棚の上や床を走る子猫達の居所を知ることができ、すぐに3匹を捕まえることができました。

ガレージの中は美味しい食べ物も温かいベッドもなく、子猫達にとって快適で安全な環境とは言えませんでした。

私は母猫の一家をボランティアのアメリアに託すことにしました。
私たちは母猫をポテト、3匹の子猫にクリンクル、トット、シューストリングと呼ぶことにしました。

ポテトの一家を迎えたアメリアは、親子のために静かで落ち着ける場所を用意してくれました。

アメリアの自宅に着くと、早速子猫達をお風呂に入れました。
ガレージで埃をかぶっていた子猫たちからはノミも見つかり、駆虫薬を飲ませてお風呂で櫛を通しながら洗い流しました。
お風呂から上がった子猫達はさらにママ・ポテトに丁寧に身づくろいをしてもらいました。

ポテトは温かく安全な場所で暮らすことをとても喜んでいました。
子猫のお世話が一段落すると、ポテトはアメリアに目を向け、彼女に頭を撫でられると自分から頭を突き出してもっと撫でてもらおうとしました。
アメリアがウェットフードをあげるとポテトはアメリアの指から食べました。

ママ・ポテトは我が子にとって最高の環境を整えることを知っているかのように、私たちに厚い信頼を置いています。
それは子猫達の取っても素晴らしいことです。
きっと3匹の子猫達も無理なく人間と信頼関係をもつことができます。

ニューヨークの冬は文字通り凍り付く寒さで毎年外に暮らす猫たちを苦しめています。
ママ・ポテトの一家が冬を前に外の生活から助け出されたのは幸運でした。
ママ・ポテトは生まれてくる我が子のために少しでも寒さの凌げる安全な場所を探していたのかもしれません。
そして、自分たちを捕まえに来た私たちを敵ではないと見極め、子猫達をより快適な場所へ導きました。
ママ・ポテトは子猫達に希望にあふれた未来を約束したのです。