1年前の夏、養育ボランティアに加わった私とパートナーは消防署に保護された5匹の子猫のお世話を引き受けることになりました。
迎えに行った子猫たちは泥にまみれ痩せて衰弱していました。
動物病院へ連れて行くと獣医師は子猫達のお世話がとても厳しいものになると警告しました。
特に一番小さなグレーの子猫は生後6週にも拘らず掌に包めるほどとても小さく生き延びることができれば奇跡に等しいと言われました。

私とパートナーは最初の夜を子猫達に代わる代わるミルクを与え続けずっと起きたままで過ごしました。
兄弟たちが競ってミルクを欲しがる中で一番小さな子猫はなかなか飲んでくれませんでした。
苦労してミルクを与えようやく朝を迎えたとき私たちは小さな子猫に心を奪われてしまいました。
それがチューバでした。

その後も24時間体制のお世話を続け子猫達は順調に回復し始めましたがチューバは相変わらずずっと一番小さなままでした。
チューバはとても淋しがり屋で常に私たちの注意を求め傍から離れるのを嫌がりました。
私たちはチューバが淋しくないようにパーカーのポケットに彼を入れていつも連れて歩いていました。
チューバは私たちに強い愛着を持っていました。
兄弟に比べて成長がゆっくりなチューバは私たちの傍にいることで安心できたのかもしれません。

成長したチューバの兄弟たちは、永遠の家を見つけ次々に旅立って行きました。
兄妹よりも常に小さかったチューバは内気な一面が災いしなかなか出会いに恵まれませんでした。
チューバと暮らし始めて1年が経過しようとする今年の夏私たちは鉄砲水の中で助けられた子猫たちのお世話を引き受けることになりました。
その中の1匹、メープルは兄弟よりも一回り小さくまるで1年前のチューバを見るようでした。

メープルはエイリアンのように頭だけが大きく身体はやせ細っていました。
はじめは自力でミルクを飲むことができなかったメープルに、私たちはシリンジでミルクを与えました。
私たちが眠れない夜を過ごした後子猫達はエネルギーを蓄えはじめ、メープルは本当に1年前のチューバそっくりに私たちの肩の上に座りゴロゴロと喉を鳴らしました。
メープルは兄弟たちが探検を始めたときようやく歩くことを覚えはじめました。
チューバの時と同じでした。
メープルは兄弟に比べてゆっくりと成長し私たちの膝の上でぬくもりを欲しがりました。

メープルが歩き始めた頃、チューバは自分と同じ境遇の小さなメープルと出会いました。
チューバはすぐにメープルにとって仲間が必要だと感じたようです。
チューバはメープルの身繕いを始めママのように寄り添うようになりました。
チューバは幼いときにママを失ったメープルにとって安心できるものが何かを知っていました。
チューバはメープルを抱きしめて鼓動とぬくもりを与え決して孤独にしませんでした。

メープルはチューバの後を付いてまわりチューバはメープルに全てを教えてくれました。
メープルは水を飲むこと、ドライフードを食べること、遊び方も人間の家で暮らすすべてをチューバから学びました。
2匹は常に一緒に過しメープルと過ごすチューバは明らかに変わっていきました。
数か月後、メープルが旅立ちの時を迎えたときチューバには最高の出会いが待っていました。

チューバとメープルは一緒に旅立って行きました。
メープルとチューバを一緒に迎えてくれたノアさんは、チューバに辛抱強く向き合ってくれたのです。
私たちはチューバが最高の家族の中にいることにワクワクしています。
私たちのもとで命を繋ぎ救いあった子猫達がこれからも一緒に成長し絆を深めていけることを最高の喜びに感じています。