生き残った子猫は生後2~3週と言われていましたが、歯の状態から生後4週ほどではないかと推測されました。にも拘らず、子猫の大きさは新生児のサイズしかありませんでした。重度の栄養失調と低体重、脱水しノミの寄生による貧血状態に陥っていました。

被毛は絡み合い汚れのためにマットのように固くなっていたため、私は何度もお風呂に入れて子猫をきれいにしました。兄弟を亡くしひとりぼっちになってしまった子猫が淋しくないようにその夜は子猫に寄り添って眠りました。

私は子猫にウィンストンと名前を付けました。ウィンストンは免疫システムが弱く、その後も一進一退を繰り返し回復するのは困難を極めました。それでも小さなウィンストンは戦うことを止めず、私も諦めるつもりはありませんでした。ウィンストンは排便にも苦労したため、私はお腹の運動とマッサージを欠かせませんでした。

お世話を始めて数日後、ウィンストンがひどい下痢になってしまい救急病院へ連れて行きました。獣医師は水分と薬を与え下痢を起こしている可能性のあるものを全てなくそうと懸命の治療を施しました。そのおかげでウィンストンは何とか持ちこたえることができ、翌朝、再び病院で水分を補給すると元気を取り戻すことができました。

ウィンストンは時間ごとの食事が欠かせないため、私は彼をオフィスに連れて行くことにしました。少しずつ体力を付け始めたウィンストンは、食事を摂るごとに嬉しそうに思い切り尻尾を振りました。私が仕事を始めるとデスクの上を走り回って遊びました。

ウィンストンの体重はなかなか増えず、ずっと新生児と同じくらいの体重しかありませんでした。ウィンストンの消化器がうまく機能しないためでしたが、それでも彼は少しずつ少しずつ成長を続けました。お世話を始めて3週間が経過しウィンストンの身体はサツマイモくらいの大きさに届きました。

ウィンストンがドライフードを食べ始めました。子猫用のドライフードを水でふやかしたものから始めて、だんだんと水分を少なくする方法です。ウィンストンはドライフードを気に入ってミルクと両方をお腹いっぱいに食べています。

シェルターで引き取った子猫は私の手のひらですっぽりと包んでしまえるほど小さかったけれど、決して戦うことを止めようとはしませんでした。小さな体で懸命に生きようとするウィンストンに、私は絶対に諦めまいと励まされ続けてきました。ウィンストンはどんな困難も乗りこえる強さを秘めていました。成長するごとにもっともっとエネルギーを蓄えきっと幸せを掴むでしょう。