猫の毛は汚れたマットのようで、足元がぐらつき歩き方が歪んでいました。
私は最近猫のトーマスを家族に迎えたばかりでした。
さらに仕事に遅刻しそうでした。
でも、家に入りたがっている猫をそのまま外に放っておけませんでした。
私は猫を掬い上げると、口にノミの治療剤を銜え、食べ物と水と猫のベッドを持ちました。
私の部屋のバスルームへ向かい、そこに猫を落ち着かせました。
猫はウエットフードをぺろりと平らげると満足そうに喉を鳴らしました。

バスルームに閉じ込められてこんなに喜んでいる猫は見たことがありませんでした。

地域を繋ぐSNSに猫の写真を投稿し近所や近隣の人に猫の情報を求めると、何人かの人が数年前から近所に姿を見せていると教えてくれました。
さらに地元の動物管理センターが過去のTNR活動で、猫の避妊手術を行ったことが分かりました。
しかし、猫の飼い主を名乗る人は現われませんでした。

私はもう1匹猫を迎える予定はありませんが、猫は家の中に居たがっている上に厳しい冬は目前まで迫っています。
私は猫をそのまま外へ帰すなんて考えられませんでした。

私はThe Feline Rescue Association(猫救済協会)に連絡を取り助けを求めました。
協会は快く引き受けてくれ、私は猫が新しい家族を探せる時期が来るまで自宅でお世話をすることを申し出ました。

金曜日、ようやく猫を動物病院へ連れて行くことができました。
診察を受けた猫は10歳で体重は2.3kgしかなくマイクロチップは見つかりませんでした。
重度の尿路感染症を患い、獣医師は甲状腺機能亢進症を疑いました。
血液検査の結果が出るのは週明けになるため、その日は関節炎の抗生物質と鎮痛剤が処方され、いくつかの輸液を受けました。

猫は診察の間おとなしくてとてもいい子でした。
私たちが待っている間に診察台の上でお昼寝をする余裕を見せた猫は2~3週間後に再検査とワクチン接種が予定されました。

グエンの後を追いかけたのは彼女の必死の行動だったのだと分かり、治療を受けられて本当に良かったと思いました。
私は猫をボーンズと呼ぶことにしました。

週が明け、血液検査の結果が分かり幸いFIV(猫免疫不全ウィルス感染症)FELV(ネコ白血病ウィルス感染症)は共に陰性でした。
ボーンズをバスルームから出し、私たちのオフィスで暮らすことにしました。
ボーンズは1日に3食のウエットフードと無制限のドライフードを食べ、お腹いっぱいになるのをとても喜んでいました。
ボーンズは本当に食べることが大好きです。

ボーンズの甲状腺はかなり回復に向かい始めました。
体力を付けたら再検査の折にマットのような被毛をきれいにしてもらいます。

一緒に暮らし始めて分かったことですが、ボーンズがお昼寝をしているとき、私は普段通り部屋の中を歩き回ることができました。
ボーンズは眠ったまま全く動くことはなく、聴覚障害があることは間違いないようです。
私は彼女が目を覚ます前にドアを閉めなければなりません。
そうでないとボーンズがびっくりしてしまうからです。
嬉しいことにボーンズはオフィスの中で警戒心をなくしています。
・・・いったいどうやって外で暮らしていたのでしょうね?

気まぐれについてきたのかと思ったボーンズは、冬を前に人間に助けを求めることを決め、グエンを選びました。
あの時家まで付いて来たボーンズを私はどうしても家に入れずにはいられませんでした。

彼女は確実に健康を取り戻しつつあり、次の春は家族に囲まれているでしょう。
ボーンズの決断はきっと実を結ぶと私たちは信じています。