工事中の住宅の外にゴミや道具が置かれている場所、その奥に子猫たちは身を隠していました。
子猫たちを安全に保護するにはトラップを仕掛けるか、手で捕まえるしか方法はありませんでした。
より安全な方法だと判断し、とても頑丈なグローブをはめて直接手で捕まえることにしました。

子猫たちは叫び声をあげ身をよじって抵抗しましたが、4匹とも無事に保護することができました。

4匹の母猫は近所の人に食べものをもらっていたそうです。
私は母猫を見ることはできませんでした。

1匹ずつお風呂に入れ、子猫たちの体をきれいにしました。
人間に接触したことのない子猫たちは私に怯え目を見開き、声をあげて威嚇しました。
子猫たちはバスルームで数日を過ごしました。
私はバスルームの隅に固まっている子猫たちに、スプーンに入れた離乳食を口元に運び外に誘い出そうとしました。
最後まで残っていたのがフランニーでした。

フランニーはスプーンを払いのけ、威嚇を繰り返して必死に抵抗しました。
しかし今迄にたくさんの野生の子猫を助けてきた私は、人間を怖がる子猫たちに希望を見いだす瞬間を何度も味わってきました。
何度もスプーンを口元に持って行くうちに、フランニーの表情が変わった一瞬を見逃しませんでした。
スプーンの離乳食を舐め始めたフランニーはいつか変わる日が来る、私はそう確信を持ちました。

私はフランニー達兄妹を、養育ボランティアのアリソンにまかせることにしました。
アリソンは子猫たちを迎えるために、急いで自宅の準備を整えお世話を始めてくれました。
私は定期的に彼らを訪れ、アリソンに愛情を注がれて少しずつ変わっていく子猫たちとふれあえるようになっていきました。

アリソンの自宅で暮らし始めた頃、フランニーは兄妹たちが人間に触ることを許し始めてもまだ人間への恐怖心を捨てることができませんでした。

1か月前のあの日、私は4匹を安全に捕まえることができましたが、フランニーはトラウマを抱えてしまっていたのです。
フランニーはこの1か月の間に人間に信頼を置き始めていましたが、特に私の手への恐怖を捨てることができずにいました。
私たちと遊び始めた4匹の中で、フランニーだけは私の手に時折すくんでしまう瞬間が残っていたのです。

私はフランニーのトラウマを取り除く必要がありました。

私たち救助者の多くはこれまでの経験で子猫を1対1で育てることで人間と強い絆を結ぶ傾向があることに気付きました。
フランニーも1対1で育てることで成功する可能性が大いにあると思いました。
私はしばらくフランニーだけを私の自宅で世話をすることにしました。

フランニー達兄妹を助けたとき、彼らは生後10週を越えていました。
4匹は人間に大きな恐怖心を懐いていて私たちにとってはとても困難な状況でした。
フランニーの恐怖を取り除く方法、それは簡単ではありませんが単純なことです。

私は数週間をフランニーと1対1で向き合って過ごしました。

フランニーは毎日私の膝で寛ぎ、私は苦労なく彼女と抱き合うことができるようになりました。
愛情を注ぐ以外方法はありませんし、愛情は必ず問題を解決してくれます。

フランニーが陽だまりの中で寛ぐ姿を眺めるたびに、近所の人の知らせが無かったら今彼女はどうしていただろうと思うことがあります。
ゴミの中で身を潜めていた子猫たちは、2匹がすでに旅立ち、フランニーと妹のゾーイは新しい出会いを待っています。
私たちの活動を知り、周囲の住人たちが情報を提供してくれる機会が増えています。
通りの猫たちに目を向ける人が増えていけば、猫たちの運命が愛情で変わる機会ももっと増えていくでしょう。