野良猫は発見した人たちに食べものをもらっていたそうです。
しかし、2か月ほど前交通事故にあったところを目撃されて以来姿を見せなかったそうです。
発見者たちは見失った野良猫をとても心配していたそうですが、再び姿を現した野良猫に今度こそ安全な暮らしをしてほしいと願い私に連絡をくれたのです。
私は自宅でたくさんの子猫を育てていますが、野良猫を自宅に引き取ることを楽しみにしていました。

彼らの話では、野良猫は人間が近付くことを許し人間に慣れている様子だったため元は飼い猫だったのではないかと思ったそうです。
彼らは野良猫を2日間安全に保った後無事に保護することができました。

野良猫は痩せた身体にマットのように固まった被毛がモジャモジャに絡み合い、閉じることができない口は明らかに痛みを抱えていました。
さらに鼻と口から出血があり、とても気分が悪そうでした。
キャリーケースの中の野良猫は疲れ切っていました。

動物病院で鎮静された猫は、獣医師の診察の結果重い上気道感染症を患っていました。
幸いにも心配された骨折は見つからず、大きな外傷はありませんでした。
歯茎と舌にたくさんの裂傷があり、口内炎を起こしかけていたため抗生物質が投与されました。
爪を切り、覆っていたマットのような毛を刈ってもらいました。
猫はオスで、歯の状態から推定12歳だと分かりました。
私たちは猫にパンクと名前を付け自宅へ向かいました。

私の自宅には養育中の子猫が暮らしているため、パンクのために静かに過ごせる場所を用意していました。
最初の2日ほど緊張が取れないパンクでしたが、たっぷりの食べものと落ち着ける空間に少しずつ緊張がほぐれていきました。
それでも事故を思い出してしまうのかときどき恐怖に襲われていました。
しかしそれも次第になくなっていきました。

数日後、パンクは明らかに変わっていました。
パンクは辺りを歩き回って探検を始め、私の関心を集めようとし始めました。
顎を撫でられると大きく喉を鳴らし、私の膝の上に上るようになりました。
長い間路上を彷徨っていたとは思えないほど甘く少年のようなパンクに私はすっかり心を奪われてしまいました。

パンクが感染症から回復したとき、私は彼を育てている子猫たちに紹介しました。
すると、意外なくらいパンクは子猫たちを可愛がり、優しく接してくれたのです。
中でもタキシードのインキーは、すぐにパンクに近付き遊び始めたのです。
2匹はお互いをとても気に入り、その日のうちに一緒にお昼寝をするほど打ち解けてしまいました。

インキーは8月にお世話を始めた子猫ですが、原因がはっきりとしない便秘にずっと苦しんできました。
超音波検査を受け先天的な巨大結腸の傾向があることは分かりました。
しかし、インキーの便秘の原因は突き止めることができませんでした。
不快感を抱えたインキーはずっと今ひとつ元気がありませんでした。

そのインキーがパンクと出会って以来、お腹の調子がよくなり格段に元気になりました。
インキーには心から信頼できる友達が必要だったのかもしれません。

インキーはパンクの尻尾で遊ぶのが大好きで、パンクはインキーのおかげで遊び心を引き出してもらいました。
2匹はお互いが大好きで、パンクは可愛いインキーの頭に頭突きをします。
外の暮らしで苦しんでいたパンクのことを想うと、見ている私はとても幸せな気持ちになります。
私は時期が来たら、2匹を一緒に迎えてくれる家族を探すことにしました。
ここで出会った年の離れた親友たちが、一緒に永遠の家へ旅立つことを心から願っています。