今から10年ほど前、アメリカ陸軍兵士のクリスティン・ボールディンさんが任務中であるアフガニスタンで子猫「フェリックス」とその母猫に出会いました。
フェリックスは小脳形成不全の障害を抱えているため体を動かすとグラグラしてうまく歩けずひっくり返ってしまいます。
さらに人を怖がるためクリスティンさんが近づくと威嚇してきましたが、母猫は人に懐いていたようでクリスティンさんにすり寄ってきたためフェリックスも徐々に慣れ始めたのです。
クリスティンさんは1日に何度もごはんと水を猫親子のところへ運んであげたためフェリックスも心を開いたのでした。
クリスティンさんは猫親子を自国へ連れて帰ろうと思い始めた矢先に母猫は姿を消してしまいました。

その日以来、母猫は二度と姿を見せることはありませんでした。
クリスティンさんはフェリックスのために砂袋で家を作ったのですが、体の不自由なフェリックスはうまく出入りすることができません。
そんな様子を見ていた友人が素敵な家を作ってくれたそうです。
クリスティンさんは自国へ帰るときにフェリックスを連れていくために兵士用の飛行機に乗せられないかと申請しましたが、却下されたので地元の獣医さんから紹介された首都カブールで動物保護活動をしているパム・コンスタブルさんに連絡したところパムさんはクリスティンさんが帰国するまでフェリックスを預かり帰国後に自宅へ送ってくれると約束してくれたのです。
そしてクリスティンさんは地雷を避けながら車で1時間以上かけてパムさんのところへ向かい、フェリックスを託しました。

それから月日は流れ、クリスティンさんは帰国しフェリックスはカブールから長い旅をしたあとついにクリスティンさんの家に到着しました。
子猫だったフェリックスもすっかりおとなの猫に成長しましたが、体はやはりグラグラしていますね。
しかし、他の猫のようにジャンプしたりオモチャに飛び掛かったりすることも出来るのです。

フェリックスはクリスティンさんの家に着くと早速先住猫さんとお友達になりました。
そして幼い頃と同じようにクリスティンさんをお母さんだと思っているような愛らしい姿を見せてくれます。

様々な困難を乗り越え、クリスティンさんとフェリックスは無事に再会できましたが、お互いがかけがえのない存在でもう決して離れることはありません。
あの日母猫は障害で可哀想な我が子をクリスティンさんに託していったのかもしれませんね。
そしてクリスティンさんはフェリックスに出会えたことをとても感謝しているようです。