猫の「ミーシャ」は生まれてからの9年間ずっとデボラさんと幸せに暮らしていたのですが、泌尿器の病気にかかってしまいました。
85歳という高齢のデボラさんにとってトイレを粗相したりするミーシャの世話をするのがとても難しくなってきたのです。
「私にもしものことがあったらミーシャはどうなるの?」
デボラさんはミーシャの行く末を考え、ミーシャを安楽死させるという決心をして動物病院を訪れました。
デボラさんは泣きじゃくりながら病院のスタッフにミーシャを楽にしてあげてと懇願したのです。
診断した獣医さんによるとミーシャは太り過ぎが原因でした。
スタッフのセレナさんは治療すれば治るからとデボラさんから治療の承認をもらい世話のできないデボラさんの代わりにと養育ボランティアのオディールさんに連絡しました。

ミーシャはオディールさんの家に引き取られました。
ミーシャの様子は太っている以外は問題がなくトイレの粗相もしません。
食事制限により体が軽くなったミーシャは元気にオディールさんと遊んだりソファで一緒にテレビを観ながらのんびりくつろいだりしています。

オディールさんはいつの間にかミーシャが愛おしくなり正式に引き取ることをセレナさんに申し出ました。
セレナさんもその方がいいと思いましたが、デボラさんの承諾をもらう必要があるため直接オディールさんとデボラさんを会せることにしたのです。

数日後、デボラさんはオディールさんの家でミーシャに再会します。
デボラさんはすっかり元気になったミーシャの姿を見てミーシャにとって相応しい飼い主はオディールさんだと思いました。
デボラさんはミーシャを抱きしめ言いました。
「ゴメンネ、ミーシャ。あなたのことを殺そうとした悪い魔女のところから、救い出してもらえたんだね。寂しいけれど、きっと私と一緒にいない方がミーシャのためなんだ。元気でやるんだよ」
がっくりと肩を落として去っていくデボラさんを見て、オディールさんは思わず駆け出し彼女の手を取って言います。
「デボラさん、私と友達になってくれませんか。一緒にミーシャの話をたくさんしましょう。美味しいコーヒーとお菓子を用意しておきますからいつでも来てください。そしてミーシャの小さかった頃の話を私に聞かせてください。」

第二の人生をスタートしたミーシャ。
デボラさんは週に3回ほどオディールさんの家へやってきます。
オディールさんとデボラさんが語り合う昼下がりのひとときはミーシャにとって至福の時です。
そしてミーシャはデボラさんの膝の上でご機嫌に眠るのです。
こんな暮らしがずっと続くといいですね。