私たちが暮らしているイギリス南部の町は、とても静かでフレンドリーなところです。
我が家にはナラという猫がいます。
ナラは外に出かけるのが大好きで10年ほど前から毎日外出しています。
イギリスでは飼い猫が外と自由に行き来をするのが一般的です。
私の近所にも、ナラの他に7匹ほどの飼い猫を外で見ることができます。
私は居心地のいいこの町の暮らしをとても幸せに思っています。

ある日の朝、帰宅したナラの首輪に何かが巻き付いているのを見つけました。
よく見るとノートの切れ端を細く折りたたんだものに“読んで下さい。”と書いてありました。

まさか・・・
ナラがでかけた先で問題を起こしているのでは・・・不安がよぎりました。

広げた小さなメモにはこう書いてありました。

『あなたの猫は1日に2~3回私たちの家を訪ねて来ます。
私たちは緊急時のためにあなたの猫の名前と住所を知っておきたいです。』
そして送り主の連絡先が添えてありました。

一気に不安が吹き飛びました。

ナラは出かけた先でも家族のように愛されていることを知り私は胸が熱くなりました。

ナラはこの10年、外に出ては何事もなく無事に帰って来ました。

ナラは定期的に予防接種を受けています。
勿論マイクロチップも済ませています。
そしてこの町はナラが交通事故に遭う可能性はほとんどありません。

だけど万が一のとき、私たち家族以外にナラのことを真剣に気にかけてくれる人がいると思うとこんなに心強いことはありません。
私はメモの送り主に連絡先を添えて返信を送りました。

ナラの外出はこの町の居心地の良さの理由のひとつを改めて教えてくれました。