子猫はクィーンズの通りで焼けたアスファルトの上で日差しにさらされていました。
発見されたときの子猫はへその緒が付いたままで、傷を負った後ろ足がウジ虫に覆われていました。
たまたま通りかかった人が子猫を掬い上げ、ジョアンのオフィスに連れてきてくれたそうです。

ジョアンに栄養価の高いミルクと吸収の良い電解質補給飲料を与えられた子猫は、毛布の上で鳴いていました。
ジョアンは私に子猫のお世話をしてほしいと連絡をくれました。
そして彼女はロングアイランドのLIVS(ロングアイランド動物専門病院)で治療を受けるように勧めました。

私はジョアンと一緒に子猫をLIVSに連れて行きました。
子猫は生後約5日のオスでした。
呼吸器感染症を患い、脱水していた上にひどい下痢を起こしていました。
足の傷にも感染症を起こしていて、獣医師たちは必要な治療を全て施しました。
いつ容体が急変するかもわからない子猫は、集中治療室に入り入院することになりました。

数日間集中治療室で過ごした子猫は獣医師たちの懸命の治療にも拘らず、回復の気配を見せませんでした。
一般治療室へ移された子猫に、私たちはチート―と名前を付けました。
チート―の回復はとてもゆっくりで、体重の増加もゆっくりでした。
入院から3週間が経ってもチートーの上気道感染症はまだ治療が必要でした。
しかしチートーは活発に動くようになり、それは病院のスタッフ達の励みになっていました。

入院から45日後の8月30日、LIVSの医療チームの懸命の治療はチートーを健康な状態に戻してくれました。
退院し私と自宅に戻ったチートーの体重はちょうど1ポンド(453g)、病院で医療スタッフに囲まれ、愛情を注いでもらったチートーは人懐っこくて合う人の心を盗む愛情深い子猫に成長していました。

チートーは常に誰か寄り添う相手を欲しがり、膝の上や腕に抱かれて眠るのが大好きでした。
順調に体重を増やしていたチートーは、退院から2週間後にようやく2ポンド(約900g)を超えることができました。

健康を取り戻したチートーは新しい家族を探し始める準備が整ってきていました。
他の子猫達と元気に遊びまわり、私の膝の上では小さな子猫に戻ったように無邪気に甘えてお昼寝を楽しみました。
そしてチートーの永遠の家が決まり旅立ちの時を迎えました。

9月24日、チートーは永遠の家に旅立って行きました。

恐らく母猫に諦められてしまったチートーは、少しでも発見が遅れれば今日という日を迎えることはできなかったでしょう。
チートーをジョアンのもとへ運んでくれた人、LIVSの医療チーム、ジョアン・・・チートーの命はたくさんの人の助けたいという想いで繋がれたのです。
私たちはチートーに新しい人生を楽しんでほしい、そう願っています。