シェルターが投稿した子猫の写真を見た施設の創設者タラ・カイは、その絶望的な姿に心を痛め、施設で引き取ることにしました。
施設の養育ボランティア、ニコルがシェルターへ駆けつけ子猫を掬い上げたとき、彼女は子猫の大きな声に驚きました。
子猫はニコルに抱かれると助けられたことに感謝するようにまた鳴き始めました。
子猫はいわゆる猫らしい媚びない態度でしたが、私たちに愛情を込めて抱きしめられるまでずっと鳴き続けました。

子猫の水頭症の状態を知るためにタラとニコルは神経科へ連れて行き診察を受けました。

水頭症は脳や脊髄の周囲を循環している液体が何らかの理由で増え、脳を圧迫する状態を言います。
遺伝的なものなのか病変なのかを知る必要があるのですが、MRI検査を受けるには子猫が小さ過ぎるため当面は投薬を受けて子猫の成長を待つことになりました。

子猫はエセルと名付けられ、ニコルが自宅でお世話をすることになりました。
エセルはニコルに抱かれているのが何よりも大好きでした。
中でもニコルのスウェットの中や顔の傍に抱かれるのが特にお気に入りになりました。
ひとりぼっちで発見されたというエセルは、さまよっている間、きっと心細かったに違いありません
ニコルのぬくもりが嬉しくて仕方がないのだと思いました。

エセルはすぐにトイレを使い始めました。
そして、自分の部屋の中の家具の配置などすぐに頭に叩き込んでしまいました。
全く見えないエセルは、ときどきぶつかることはありますが、ほとんど普通の猫と同じように動き回ることができました。
エセルは嗅覚を駆使して視覚を補っているようでした。

エセルはよく食べ、よく遊び、体重は450gを越えました。
エセルはひとりで水を飲むことを学び、頼もしい一面を見せてくれました。
同じくらいの子猫たちと一緒に遊び、大人の猫たちにも可愛がられる存在になりました。
盲目であることはエセルにとって問題ではありません。

エセルは困難に始まった人生を生き延び、しっかりとその人生を歩んでいます。
彼女は要求することを恐れず、はっきりと主張します。
ニコルに抱かれると彼女は嬉しそうに鳴き続け、おしゃべり好きを発揮します。
ニコルも周囲の人々もエセルの甘えん坊ぶりをとても愛おしく思っています。

恐らく誰かに見捨てられたエセルは、通りから救われ生きるチャンスを掴みました。
タラとニコルは小さくてたくましいエセルをこれからも支え、愛情を注いで寄り添っていきます。
そしていつかエセルが永遠の家へ旅立つことを目指しています。

参考:猫の水頭症『子猫のへや』https://www.konekono-heya.com/byouki/shinkei/suitousyou.html