郵便配達の仕事について、最高の特典のひとつだと思ったのがルートを回る途中で出会うペットたちとのふれあいでした。
私は回るルートで数匹の犬と顔見知りになりました。
その中には私のトラックのドアが開く音を聞き分ける犬のカップルがいます。
彼らが寄って来ると、じっくりと相手をしたいところを我慢しなければなりません。
『こんにちは、』の挨拶とちょっとばかりのふれあいで切り上げて、次へ向かわなければなりません。

4年前、新しいルートを回り始めたとき、私が行くルートで唯一の猫と出会いました。
猫はとても元気でしたが、片目が乳白色に濁っていて、しっぽの半分が曲がったかなり高齢の猫にみえました。
毛並みが荒れた部分もありましたが、こぎれいで手入れもされているようです。
子猫のように可愛いけれど、経験豊かなとても味のある雰囲気を持っていました。

私は5人の配達員がそれぞれ休みの日に代わって走っています。
だから、5つのルートを週に1度ずつ回るわけです。
猫と出会ったとき私はそのルートを走る配達員に聞いてみました。
すると彼はこう言ったのです。
『ああ、それはビジュウだよ。彼女は最高の猫さ!』

ビジュウは彼女の家に私のトラックが近付くのを聞くと、必ず外に出て走ってくるようになりました。

最初は、私がトラックから降りる音を聞きつけて郵便受けのところまで出てきていました。
私が郵便物を郵便受けに置くと、いつもビジュウがそこにいたのです。
そして、私が彼女の家に届け終わるまで私の脚に体を擦りつけていました。

ビジュウがいた場所は私が配達している場所からほんの1~2mしか離れていませんでした。
私が作業に追われて彼女の相手をしそうにないとビジュウは私の行く手をウロウロとしてしまいました。
その頃のビジュウは私に相手をしてほしいと要求できなかったのです。

昨年の終わりごろ、ビジュウはいよいよ積極的になりました。
はじめの2か月はトラックのドアの周りを嗅ぎまわっているだけでした。
その後、私のトラックへ飛び上がると、中を探検し始めたのです。
そしてついには座席に座り、得意そうに私に向かって鳴きました。
以来、ビジュウは私が郵便物の整理を終わるまで座席の上を占領するようになったのです。

ビジュウは私が私のタイミングで彼女をトラックの外へ追い出すことができないことを知っているようでした。
彼女は私が彼女を抱きしめ、頭を軽くポンポンするまで穏やかに催促をし続けるのです。

ビジュウが満足すると、ようやくトラックを降りて彼女の家に帰っていきます。
そしてビジュウは私たちが彼女に会うのを楽しみにしているのと同じくらい、次の機会を楽しみに待っているのです。

ビジュウの彼女らしい要求はいつも私を明るくしてくれているのです。

家族が仕事や学校に行っている間、留守番をしている動物たちが私たちや通行人が彼らに挨拶することを楽しみにしているのはとても嬉しいです。
そのわずかな時間、人間との交流が彼らの単調な時間を解消するでしょう。
私とビジュウの交流は、郵便配達員と動物達との交流のほんの一例でしかありません。
忙しく走り回る私たちは、ビジュウのような存在にとても感謝しているのです。