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トルコ北西部にある小さな村で暮らす83歳のアリ・メセさんは、先週の木曜日、自宅を火事で失ってしまいました。幸い、家族は全員無事だったものの財産のすべてを失ってしまいました。鎮火した家の前で、助けられた愛猫を抱きしめるメセさんの姿がトルコ国内で報じられると、あちこちから救済の声が上がりました。

トルコのムドゥルヌ県西部のオーデュラ村。
豊かな森林が続く小さな村です。
アリさんはリビングに置いてあるガスストーブを使おうとしていました。
しかし、ストーブは小さな爆発を起こし、火は瞬く間に家中に燃え広がってしまいました。

火災に気付いた隣人がすぐに消防署へ通報してくれたおかげで、アリさんの妻とふたりの息子、そして飼い猫は無事でしたが、長年暮らしてきた家は頑丈な厚い板と金属製の屋根を残し、無残にも焼け落ちてしまいました。

現場検証に入った消防士たちと物々しい雰囲気に怯える猫を、アリさんが寄り添い優しく撫でてあげます。
そして、猫を抱き上げぎゅっと抱きしめるアリさん。
アリさんの自宅の地下には、14羽の鶏が飼われていたそうですが助かったのは1羽だけでした。
炎はアリさんの大切なものを全て焼き尽くしてしまいました。

アリさんは大ケガではなかったものの、右手に火傷を負っていて病院へ行く必要がありました。
アリさんが病院で治療を受けている間に、アリさんの窮状はメディアを通じてトルコ中に広がっていきました。

大統領スポークスマンがツイッターにこうつぶやきました。
『彼と彼の猫を温めましょう。』
その後自治体が救済に乗り出すまでに広がったアリさんの救済。
現場でびしょ濡れの猫を抱きしめるアリさんの姿に、たくさんの人が心を動かされたのです。

アリさんが入院した病院へトルコ赤十字(トルコ三日月)のスタッフと一緒に飼い猫がやってきました。
再会を喜び、抱き合うアリさんと飼い猫。
トルコ赤十字はびしょ濡れだった猫が温かく過ごせるように、赤い毛布とキャリーケースをプレゼントしていました。

猫を包んだ毛布のぬくもりは、アリさんの心も温めてくれました。
救済の輪はそれだけではありませんでした。
彼の窮状を知ったソーシャルメディアのユーザーたちの間に、アリさんを支援するキャンペーンが開催されたそうです。

たくさんの人達の励ましに元気づけられていくアリさん。
大変なのはこれからですが、家族と一緒にきっと乗り切っていくことでしょう。
治療を終え、猫と一緒に再びカメラに収まったアリさんには笑顔が戻っていました