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「愛猫が、死んだネズミを足元に置いても叱らないで下さい。それはあなたへの感謝の気持ちですから・・・」猫の習性についてそんな記述を読んだ小鉄の同居人さん。小鉄がどんなものを置いても精一杯褒めてあげようと心に決めていました。小鉄の前にカメムシが現れ、ついに小鉄を褒めちぎる機会と思ったのです、が・・・

小鉄の足元にじっと動かないカメムシ。
ダメージを受けているのか、行く手を探しているのか動きません。
カメムシが苦手な同居人さん、できれば仕留めたくない・・・
少し前、小鉄はちーっちゃなクモを捕まえました。
小鉄に期待を寄せる同居人さん。
「小鉄、捕まえて!」
何かを感じている小鉄・・・
『・・・なんか・・・臭う!・・・』

カメムシの臭いを嗅いで確かめる小鉄。
『う・・・やっぱりお前か!小さいくせに立派な臭いしてるじゃないか・・・』
動かないカメムシに、とりあえずそっと触ってみる。
『なにじっとしてるんだ・・・ほれ、動け』

小鉄に触られたカメムシ。
小鉄は触っただけだけど、カメムシにとってはかなりの衝撃。
畳の上を必死に歩き出します。
『・・・』
じっと見つめる小鉄。
再び立ち止まるカメムシに、誘導するようにチョイチョイっと触る小鉄。
歩き出すしかないカメムシ・・・
カメムシと小鉄を見守る同居人さん。
「小鉄・・・誘導してどうする~」

必死に歩みを進めるカメムシ。
飛ばない・・・と言うより飛べない?
小鉄、とりあえずカメムシを見守りながら行く手の壁際へ移動。
カメムシを待ちます。
「小鉄・・・待ち伏せ?」

じっとカメムシを見守る小鉄。
ふと・・・壁に目をやり何かを想う小鉄。
『おい・・・そのまま来たら 行き止まりだぞ。』
なおも一直線に進むカメムシ。
『おい、見えないのか?・・・行き止まりだ・・・』
カメムシに忠告するように身を乗り出す小鉄。

ひたすら前進するカメムシに、いたたまれなくなったのか・・・
『ぶつかるって・・・』
方向転換してあげる小鉄
「・・・また!・・・誘導してどうする~」

ところがカメムシ、せっかく方向転換してあげたのに再び壁に向かって進み始めてしまいます。
壁が白いから明るい方を目指すのは仕方ないのですが・・・
『ちょい、ちょい、ちょい・・・ぶつかるって・・・』
カメムシを壁から離してあげようとする小鉄、しかし・・・
『あ・・・!』
カメムシにとっては衝撃が強すぎてひっくりかえってしまいました。
ジタバタするカメムシに固まってしまう小鉄・・・

畳の上でクルクル・・・ジタバタ・・・
カメムシの窮状を察して元に戻してあげる小鉄。
カメムシは壁に向かいますが、下手に手を出すとかえって裏目になることを小鉄は悟ったようで・・・
「小鉄ぅ~!・・・逃がすんかーい!!」
小鉄の優しさに諦めるしかなかった同居人さん、残念!
たいがいの猫なら一撃のはずだけど、小鉄は優しいなぁ・・・。