子猫は門扉の向こうが得輪に入ってしまいましたが、ギルバートは子猫に近付いて鼻にキスの挨拶をしようとしました。しばらくすると子猫はギルバートの後を追い始めました。どうやら子猫は自分に優しそうなギルバートを気に入ったようです。
ドライフードを置くとお腹を空かせた子猫は我慢できませんでした。
周囲に母猫は見当らず、ほかの猫の姿も見ることはできませんでした。
私は子猫を自宅に連れて帰りました。

子猫は人見知りでした。私が近付き過ぎると逃げたりシャーッと威嚇するような声を出したりしました。
とても汚れていたのでお風呂に入れたのですが、お湯を3回も替えなければなりませんでした。体重は540gしかありません。
身体がきれいになって気分が良くなったのか子猫は喉をゴロゴロと鳴らしました。
私たちの膝の上で落ち着き、それから傍を離れなくなりました。

翌日、健康診断を受けた子猫に低体重意以外健康上の問題は見つかりませんでした。
バスルームに子猫の場所を作りました。もう1匹の猫ネリーとギルバートは扉の隙間から子猫の匂いを感じていました。
子猫のためにミルクや営養価の高いキャットフード、ボウルやオモチャを購入しました。
とにかく少しでも体重を増やしたいと思いました。

数日後、私が見守る中バスルームの扉を開いていると、ネリーとギルバートが様子を伺いに現れました。2匹が部屋に入っても子猫は隠れようとはしませんでした。
ギルバートは子猫が音を立てると部屋まで走ってきました。
私たちが心配したネリーでしたが、日が経つにつれて彼女は子猫の存在を認めるようになりました。
ネリーが子猫に心を開いて行く中、ギルバートは常に子猫の様子を気にかけていました。

数週間後、3匹は友情を結びました。
私はいずれ子猫に新しい家族を見つけることも考えていました。しかし、私たち家族に溶け込み特にギルバートと絆を築いた子猫を手放せなくなりました。
子猫にナラと名前を付け正式に家族に迎えることにしました。

ギルバートはナラに家猫として必要なことを教えるのが好きです。彼はナラを捕まえては体をきれいにしました。私たちにはギルバートがナラのナイトのように見えました。

ナラはたくさんあるオモチャよりも、庭の木の葉で遊ぶのが一番好きです。多分、彼女が外で暮らしていたとき、遊ぶものといえば木の葉くらいしかなかったからだと思います。
そして食べることに関して彼女はとても執着を持っています。ひとりで生き延びてきたナラは食べもののために戦わなければならなかったからだと思います。

4か月が経とうとする今、背骨を全て感じるほど痩せていたナラはギルバートやネリーに並ぶほど成長しました。
ナラは辿り着くべき自分の家へギルバートに導いてもらいました。
今でもギルバートはナラにとって兄のような存在であり続けナラを導いています。