様子を見に行くと、外に汚れた子猫が居ました。子猫はグリズリーを見つけたことを喜んでいるようで網に頭をこすりつけ、かすれた声で叫ぶように鳴いていました。
外は32℃を越えていて子猫の汚れはペンキのようでした。子猫を掬い上げるとまるで骨と皮のように痩せていました。私の腕の中で子猫はホッとしたように感じました。
私はすぐに子猫を動物病院へ連れて行きました。

診察を受けた子猫は体温が40℃に上昇し、脱水状態に陥っていました。
恐らく捨てられてこの熱波の中で危険な状態に陥ってしまったのでしょう。
獣医師は全てに対処してくれ、子猫は体をきれいにしてもらい正常な体温まで回復することができました。しかし、獣医師は子猫が健康を取り戻せるかは分からないと言いました。
幸いFIV/Felvには陰性、飲み薬を処方されました。

私は子猫が引き取り手を探せるまで自宅で療養させることにしました。

私の家族は妻のクリスティンと猫が4匹、犬が1匹。アパートで暮らしています。
私とクリスティンは何とか子猫が生き延びてくれることを願って世話をしました。
子猫は最初のうち私たちにも犬や猫たちにもシャイでしたが、処方してもらった薬はおとなしく飲んでくれました。
猫のオリーは子猫をとても気遣ってくれ、子猫にとって我が家が安全なのだと教えてくれているようでした。
次第に子猫は元気を取り戻し、オリーは子猫に家猫として必要なことすべてを教えてくれました。

彼の好奇心は子猫らしくオモチャに及び毎日ノンストップで遊び始めました。
まだシャイな部分は残していましたが、我が家での暮らしを楽しめるようになってきました。
オリーに寄り添われた子猫は次第に辛かった日々を忘れつつあるようで、それを感じることができた私たちは幸せでした。

オリーと子猫はいつも寄り添いあいました。そして子猫はほかの猫や犬ともうまくいき、彼らも子猫を安心させようとしてくれました。
子猫は次第に私たちとも寄り添うようになり、急速に遊び心を開花させた子猫は私たちの心を支配していきました。

子猫を見に何人かの人が訪れていましたが、私はまだ子猫を手放す気にはなれませんでした。

数週間が経ったとき子猫に引き取り手を探すことにこだわっていた私は里親の役割に失敗したことを認めました。
私は子猫の引き取り手を探すことを止め、家族に迎えることにしました。
私たち家族の一員となった子猫はクルーと名付けました。

オリーとクルーはそれぞれに食事用の自分のボウルを持っていますが、ひとつのボウルから食べるのが好きです。
2匹は最も親しくなりましたが、オリーだけではありません、私たちの猫や犬達は心も体も傷ついていた小さなクルーを気遣い、彼が本来の姿を取り戻すまで導いてくれました。本当に素晴らしかった。

グリズリーがクルーを見つける前に、私たちは猫のベイリーを見送りました。それ以来ペットたちは以前のように楽しめなくなっていました。
クルーが現れて私たちのアパートの空気が一変したのです。
クルーは傷を癒し辛い過去を忘れることができましたが、私たちもまた救ったはずのクルーに助けられました。

ペットが私たちに与えてくれるものは語り尽くせるものではありません。
彼らが最善の人生を全うできるよう、私たちは責任を果たさなければならないと思うのです。