私はこの1年毎朝私が運ぶ朝食をこのドアの向こうで待っているダルタニアンの切実な視線に迎えられてきました。
毎朝必ずそこで待っているのはダルタニアンだけでした。
彼は私が朝食を与えるまでジッと私から視線を外しませんでした。

時にはこんな出迎えを受けました。
どちらかといえば控えめなダルタニアンには珍しい積極的なアプローチです。
きっとお腹が空いて待ちきれなかったのでしょう。

扉の向こうに姿がみえないと思ったら・・・
はじめて窓に上って待つダルタニアンのより切実な視線を見つけたときはギョッとしました。

ポルトスとローリングキャットが一緒です。
やっぱり兄弟、ポルトスの視線はダルタニアンとそっくりです。

私が近付くと、はじけるように走って逃げていた1年前がウソのようです。

機械室で視線を感じて見上げると、換気用の窓の外にダルタニアンがいるのを見つけて思わず笑ってしまいました。
私を監視しているのは朝食の時ばかりではなかったようです。

ダルタニアンが空腹ではないとき、彼はいたって普通です。
愛嬌を振りまくこともなく私には猫らしい距離感です。
だけど、ほかの猫たちに比べて私に興味を持っているのは間違いないようです。

1年前、ダルタニアンはポルトスと妹の3匹で父の家の庭に現れました。
まだ幼さの残る子猫でした。
長い間彼らは私を2m以内に近付けてくれませんでした。
私は過去の経験がそうさせるのだと思いました。
そして、庭から離れない彼らのためにキャットハウスを置いて食べものを与えました。
その後彼らに私たちの猫として責任を持つことを決めました。

彼らとの絆は1日1日少しずつ積み上げられてきました。

今年の春ダルタニアンが恋したガールフレンドはその後父の庭の7匹目の猫に加わりました。

いとこの庭で保護したインディは手当てをして引き取り手を探しましたが、3週間たっても見つからず私の家族に加えることにしました。
私の家に一緒に引っ越した7歳半のサンティは思った以上に頑固で、新入りのインディを受け入れるまで少し時間がかかりそうです。

庭の猫たちを少しでも見守るために庭に監視カメラを設置しました。
傍にいることはできませんが、いつでも彼らの様子を見られるようにしました。

ダルタニアンは知らないと思いますが・・・
今、彼らをジッと見詰めているのは私の方です。